ハイオークキング3
戦いも終わり休憩や、オークの死体などの回収も終わった頃に話し声が聞こえてくる。
「お、少し広いところに出たな」
「誰か居るぞ」
パレードなどで見た騎士と思われる5人であった。
「冒険者か?ここにハイオークが逃げ込んで来なかったか?」
「はい、おそらくキングとファイターと思われるものが来ました」
「やはり。しかし被害は無さそうだな、隠れていたのかな。で、どっちに進んで行った?」
「ここで倒しました」
「何!?Aランク魔物だぞ」
「そうだ、俺たちが手負いにはさせたが、まだまだ余力はあったはずだ」
「嘘をつくな、どこに証拠が?」
騎士団の相手をしていたシミリートが、魔法の袋からハイオークキングの死体を取り出す。
「これは!」
「俺たちの手柄を横取りしたのか!?」
騎士たちがシミリートに詰め寄ろうとしたところに、森から現れたローブの男が声をかける。
「待て」「冒険者の皆さん、失礼した」
「な!いえ、中尉」
騎士団員5人より後から現れた魔術師団員2人の片方の方が立場が上位のようである。
「逃してしまったこちらの不手際の尻拭いをして貰ったと考えるべきだろう。そもそも侵攻のエリア分けをしているのに、他エリアに逃してしまったのは我ら。また、このエリアの受け持ちはだいたい西4番ぐらいかな。そこでの獲物はもともと彼らの物」
「中尉のおっしゃる通りですね。これが見ていたところ、ハイオークキングにはまだまだ力が残っていたようですから。強力な火魔法を何発も、それ以外にも槍のかなりの攻撃を何発も受けてようやく倒れたようです」
もう1人の魔術師団員らしきローブの男が、近くの木々から飛んできた使い魔と思われる鳥に何かした上で、そう語る。




