ハイオークキング
「あれって、ハイオークキング!?」
突如現れた大剣を持った巨大なオーク。矢も刺さりそれ以外にも剣で斬られたと思われる傷も何箇所もある。さらにその後ろから、こちらも手負いのハイオークファイターが2体現れる。
「きっと逃げられない。全力で倒すぞ。敵は手負いだ!いける!」
「シミの発言は根拠無いけれど、俺たちにはユリが居る!」
「人をなんだと思っているのよ!」
軽口を交わして気を紛らせながら、全力対応を覚悟する6人。
まず不慣れながら≪炎壁≫でこちらに接近するまでの時間を稼ぎ、その間にゾフィが精一杯の矢を放つ。
炎の壁を越える際に視界不良となった瞬間に、シミリートは≪麻痺≫と≪吸血≫のダガーをハイオークキングと思われる手負いオークに投擲する。
さらにそこへ≪火炎≫で気をそらさせたユリアンネ。
「俺たちもできることをやるぞ!」
ジーモントが盾を構えて、手負いのファイターの片方の前に出る。ヨルクはもう片方のファイターである。それぞれに対してカミラとゾフィがショートソードを構えて向かう。
「無理しないで!」
ユリアンネはキングへ≪火炎≫で牽制しながら、オーク3体に対して≪魔力矢≫を随時放って気をそらさせる。
ユリアンネが魔法で対応している隙に、キングに盾を構えて対面しているシミリートも武技を乱発する。盾の≪挑発≫で、キングの敵意がユリアンネに向かわないようにさせながら、槍の初級≪刺突≫そして最近学んでいる中級≪強打≫≪剛撃≫を放つ。
しばらく均衡しているように見えたが、ヨルクが盾ではなく斧でファイターの攻撃を凌いでいたため、そこに隙ができる。
「うわ!」
ヨルクが腕に怪我したのが皆に見える。