間引き開始
魔の森に切り込むくさびの中心部分から、魔の森に向けて出発していくようである。
真ん中の騎士団達を除いた冒険者だけのチームは、東西にそれぞれ5エリアに手配される。その中の、西の4番である“選ばれた盟友”は後の方であり、城壁外の人混みもかなり減って寂しくなったところで乗り合いのための馬車が回ってきた。
森と往復して人を一時的に運ぶだけの用途なので、幌も不要な台車だけの簡易な馬車であり、森に到着した時にはお尻や腰に痛みを感じるのは仕方なく、下車後は皆で伸びをしてほぐしていた。
それも落ち着いたところで、“不運なる三羽烏達”リーダーのフィーテが発声する。
「難しいことは言わない。そこからそこまで、目印がついている幅で森にまっすぐ侵攻していくだけだ。予定通り一週間進んだら、帰りも一週間。帰りは行きより魔物が少なくて早めに帰って来られるはずだが余裕を持って置くらしい。
魔物の取り合いの喧嘩はするなよ。その先に進めばまた別の魔物が居るんだからな」
それだけで解散になったので、シミリートが周りに確認すると、日が沈めばその日は終わり、日が上ればまた進む、というものらしい。
すでに先発の騎士団や真ん中に近い冒険者達は出発しているようである。
騎士団の入ったはずの森の手前には多くの馬達が係留されていて、ここまで来たであろう馬車とともに何人かの従士たちが拠点を作っているようである。流石に騎乗のままで森に攻め入ってはないようだ。
「特にルールもないみたいだし、俺たちも進むとするか」
「そうね。でも、流石にダンジョンには入らないってルールはあるみたいだから、今回は諦めなさいよ」
前回に自分たちだけで魔の森に来た際に、前に進むことよりも見つけたダンジョンに潜ることを優先してしまったシミリートに対する、女性陣からの注意である。