魔物退治依頼2
「お前たちが“選ばれた盟友”か。まだまだ王都に不慣れだろうから、ここは俺たち王都のクラン、“灼熱の冒険団”が指揮を取らせて貰うぞ」
一応確認してみたがシャドウとフェザーの兄妹はやはり不参加ということで、いつもの6人だけで魔物退治の依頼にのぞんでいる。対象の村が王都から馬車で半日のところらしく、冒険者ギルドが用意する馬車に乗るため早朝の待ち合わせとなった。
先方も6人パーティーだったようだが、顔を合わせた途端の先方リーダーからの発言である。
「“灼熱の冒険団”?」
「なんだ、知らないのか。やはり田舎者だな。王都で有名なクランの1つだぞ」
「はい、まだまだ不慣れでして。ご指導、どうぞよろしくお願いします」
意外とこういうことに慣れてきたシミリートがリーダーらしく上手く相手を乗せて、互いの自己紹介に話を進ませる。
「ということで、俺たちも銅級が2人、鉄級が4人というのは同じだが、全体指揮はこの俺エカードが取らせて貰う」
彼らは男6人。エカードがリーダーで両手剣グレートソード。ショーン、リヒマン、ボイスが片手剣ブロードソードと盾バックラー、ヤンゼンが弓ショートボウと片手剣ショートソード、ヤネスは片手剣ショートソードを2本。ヤネスだけがローブ姿であり斥候役とのことである。
銅級はエカードとヤネスらしいので、ローブ姿で顔もあまりうかがえないがその中では実力者ということだと理解する。
こちらもユリアンネがローブ姿のまま杖スタッフを見せて魔法使いであることを伝えた以外は、見えるままの武器の紹介程度に終えている。
冒険者同士、あまり手の内を見せ合うものでもないので、互いにその程度で済ませていた。