シャドウの怪我
前日の神殿での露店市場ではほぼ買わなかったのに、このガラクタ市場では安いということもあり色々と購入して来た仲間達。
家に帰り作業部屋などにそれぞれの戦利品を並べているところへ、シャドウとフェザーが帰って来た気配がする。
「ユリ!帰っている!?助けて!」
フェザーが呼ぶので裏口に急ぎ向かうと、シャドウがよたよたと倒れ込む。家に帰り着いたので気力が尽きたのか動く気配がない。
かけていた上着をめくると、背中に大きく切り裂かれた傷がある。慌てて傷回復ポーションをいくつも振りかけつつ、≪治癒≫魔法を発動し、何とか意識を戻したシャドウに念のために解毒ポーションも無理やり飲ませる。
動けるようになったシャドウを広い食堂に連れて行き座らせる。
「どうしたんだ?大丈夫か?」
「あぁ、傷はお陰でもう大丈夫だ。助かった」
「それだけか?良いんだな」
「あぁすまない」
「分かった」
シミリートが代表して確認するが、兄妹達はそれ以上を話すつもりが無さそうである。
「じゃあ、飯にするか!」
「って、皆で買って来たものばかりじゃない!」
「最近のジモの挑戦、もちろんだいたいは美味しいんだが、たまに俺には合わないものがあってな」
「何だと。そのときに言え。ドワーフに合わないのか、ヨルクに合わないのか」
「そうやって深く聞くから面倒で嫌なんだよ。普通に美味しく食べさせろよ」
ヨルク達の強引な話題転換ということを分かっている仲間達はそれに乗る。
「そうだ、今日も露店市場に行ったのよ。フェザー、後で服を見に来てよ。色々とあったのよ」
「あ、私も見覚えのない製薬方法っぽいのを見つけたの。フェザー、一緒にみましょうよ」