王都外のガラクタ市場2
「ユリ、結構買っていたよな」
「え?ユリが買いそうなものなんてあったの?」
ガラクタ市場のエリアの端、城門側のところで待ち合わせをして集まった仲間達。シミリートの発言にカミラが突っ込む。
「そうね、ヨルクにあげたら素材になるかな、という金属武器がほとんどね。変わったところでは、ポーションにするのが主な私たちの調合とは違うやり方の薬かな。きっとその地方独自の製薬方法なんだと思うから興味があって。で、これは当たりかな」
取り出したのは鞘もかなり汚く錆のせいか刀身を引き出すこともできないダガーである。
「何それ、汚い」
「それがね、これは特殊効果ありって≪簡易鑑定≫で出たの。何かまでは私も分からないけれど、銅貨10枚だったからハズレでもヨルクの素材にすれば良いかなと」
「魔法の鑑定ではない目利きなら、刀身が見えないと買わないわよね。もしかすると掘り出し物かもね」
カミラは金属加工のアクセサリーが街中の相場より安く買えたから作り直すと喜んでいる。ゾフィも傷みの少ない古着をたくさん買って、染め直したりワンポイントの飾りを付けたりして新商品に変えるつもりとのこと。
男性陣で、シミリートは特に興味を引くものが無かったようだが、ジーモントはカミラに引かれながら色々な食材に挑戦していたようである。ヨルクは、ユリアンネのように雑多な金属武器を安く購入していたようである。
皆が買ったものをユリアンネが≪簡易鑑定≫の訓練を兼ねて次々と鑑定した結果をそれぞれ伝えていくと、特に嵩張るものを購入していたヨルクとゾフィのペアはもっと買いたいと、魔法の袋を持ちながら中身が空いているシミリートとジーモントをそれぞれ引き連れて再度ガラクタ市場に攻め込んで行った。