王都近くのセルヴ大森林
「はぁ、疲れたわね」
「本当。これはしんどいわね」
数日かけて魔の森、セルヴ大森林に挑戦し、家にたどり着いた“選ばれた盟友”の6人。先ほど冒険者ギルドに寄り、倒した魔物の討伐証明などを提出して報酬を入手はしている。
「いやぁ、こんなに効率が悪いとは」
「トリアンダンジョンほどの効率はもちろん期待していなかったさ、先輩のガルト達の事前情報もあったからな」
「なのに、あんな入口近くのダンジョンに入りたいなんて言うから、余計に効率が悪くなったのよ」
「分かっているよ。ごめんよ。トリアンじゃあり得ない、ダンジョン最奥でダンジョンボスを倒してダンジョンコアを入手するってやってみたかったんだよ」
「まったく男って奴は。そんな森の入口近くのダンジョン、低ランクなんだし皆が何度も挑戦しているから、いつダンジョンボスやコアが復活しているかなんて分からないじゃない、って言ったのに」
「俺って意外と運が良いから、もしかしてって。うわっ、ごめんって」
魔の森に入り、少し進んでDランク魔物である森狼と遭遇し始めた辺りで見つけた洞窟。ルードルフ近くの魔の森での反省を踏まえて、今回は事前にお金を払って情報収集して出かけたため、それがダンジョンであることは分かっていた。最奥でもDランクまでの魔物しか出ないダンジョンというのも分かっていたのだが、そこに入ってしまったのだ。
最奥との往復という時間もかかり、結局魔の森に戻った後は、それより奥に進むことはせずに王都に戻ってくることになった。コアも復活していないため、ダンジョン内の魔物の数も少なく成果は、小さいながらにダンジョンの最奥に到達できたという自己満足がほとんどである。




