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【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生
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幼なじみ2

噂をすれば影、ではないだろうが、ユリアンネが昔を思い出していた夜の翌日。幼なじみたちがラルフの店に訪ねてくる。

「ユリ、薬瓶を納めに来たわよ。オマケの2人も一緒だけど」

「もう具合は良くなったのだろう?また市に行こうよ」

「この前、ウチに羊皮紙を買いに来ていたのよね?声くらいかけてくれたら良いのに」


カミラ、ヨルク、ゾフィの3人。それぞれ工芸屋の長女、ドワーフ鍛冶職人の次男、皮革屋の次女である。ちょうどユリアンネと同じ歳くらいで、一緒にガラクタ市に行く仲間であった。それぞれ実家の職業を前提にした買物が中心である。


冒険者が露店している場合、手入れを怠っていて使えなくなった武器や解体ナイフ、使用して空になった薬瓶、そして半端な魔物の素材が売られていることがある。

いくら古くて壊れても大きな武器は子供の小遣い程度では買えないが、銅貨何枚かでも切れなくなったナイフ程度は買えることがあり、それを持ち帰って実家で研ぎ直しするのがヨルクの小遣い稼ぎを兼ねた職業訓練の一環であった。完全に折れた剣なども安ければ素材に買い取ることもしている。


薬瓶はガラス製が多い。なぜかガラスが普及している世界であり、ユリアンネは前世記憶を思い出した後には不思議に思い、他に転生者が居るのかと考える。そう思うと食生活など前世っぽいのもある気がする。

そしてそのガラス瓶、使用して空になった後は重いからと捨ててしまう冒険者が多いが、薬屋にすると原価がかかっている。単なる傷薬では銅貨10枚ほどだが、そのうち銅貨1〜2枚分は薬瓶の費用である。ただ、薬屋として単に返却されても清潔に洗浄する手間もかかるし、そもそも店舗によって形状が違うので他店の物はそのままで使えない。そこで、カミラは安く買い取ったガラス製品を実家で整形し直す材料にするのである。


皮革屋の娘ゾフィは、傷だらけで買い取り手のいない魔物の毛皮などを安く購入して、なめし革の練習台にしている。まともな商品にはならないが、小さな羊皮紙程度は作ることができる上に、小さくても染色の実験はできるので喜んでいる。

将来的にお洒落な衣服を作れるのが目標であるゾフィにはそれでも十分な成果らしい。


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