先輩冒険者ガルトとファン
冒険者ギルドに併設されている食堂で、絡んできた大男2人と同席している6人。
「改めて自己紹介としよう。俺はガルトでこっちのロングスピアがファン。どちらも銅級冒険者だ」
シミリートが代表して“選ばれた盟友”の6人の自己紹介をする。舐められないようにするために、わざと敬語は使用していないままである。
「もう大体わかって来たが、見慣れない若者に対して注意喚起をする先輩役ということかな」
「バレたか。そうだ。田舎から来た若者の鼻を折ることで、自信過剰で早死にするのを回避させる依頼を請け負っている」
「まぁ確かに2人の外見ならば適役だろうな」
「シミ!」
「そうだろう?俺達のお揃いのレザーアーマーも良い感じになっているだろう?」
「わかってやっているのか。ある意味、タチが悪い。悪ノリしすぎだろう?」
「私たちはしっかり稼がせて貰ったから良いのだけど」
「そうだな。損した奴らは、まだまだ見る目が無いと反省する材料になる。見た目で侮るな、と」
「変わっているけれど、ある意味、良くできたシステムなのね」
「で、王都では見慣れないパーティー、ということで良かったよな?」
「あぁ、迷宮都市トリアンから来た。しばらくは王都にいるつもりだ。銅級が2人、鉄級が4人のパーティーの良い稼ぎ方が知りたい」
「負けたし、今日だけは情報料は無で教えてやろう。それにしてもトリアンか。それなりに若い時から鍛えて来たのだな。トリアンほど近くにダンジョンは無いから、稼ぎ方は色々だな。時間はかかるが安全度が高いのは護衛依頼だ。隣の領と往復するとそれなりになる」
「ここに来るまでも護衛依頼で来たから、できれば別の物が良い」
「まぁそうだろうな。ならば、トリアンみたいに魔物相手にするならば、少し離れた魔の森が良いだろう。少し中に入れば適当なダンジョンもあるし。もっと身近なところでは、この王都の地下水路の魔物討伐なども定期的にあるな」