王都の冒険者ギルド
王都シャトニーの冒険者ギルド。王都に到着した時にクロリス達の護衛依頼の達成報告や、宿屋と不動産屋の紹介を頼むのに来ていたが、どんな依頼があるか等は確認していなかった。
相変わらずシャドウ達は何かの用事で出かけているので、“選ばれた盟友”の6人だけで訪れている。
「やっぱりポーションの納品はクロリスさんの買取の方が高いわね」
小声で話す仲間達。
「金級向けのAランク魔物討伐依頼があるぞ!ワイバーンだ。あ、フスハレとメイユの間のモンヴァルト山脈のだ」
「こんな遠くの王都にまで依頼募集が来るのだな。これはAランクのケルベロスだ」
「国中の依頼が集まるのね。でも、ここに依頼が届くのと、依頼を受けて討伐に行くのと時間がかかってしまうわね」
「かといって、広大な国土のあちこちに金級冒険者が分散していても、そこでそれに相応しい仕事があるかも分からないし、難しいわね」
前世での飛行機などの高速移動が可能な物がないかわりに、魔法で移動する人も居るのかなと考えるユリアンネ。
「お嬢ちゃん達、仕事を探しているのかい?俺達と一緒にどうだい?」
「見て分からないのか?俺達の仲間なんだが?」
「すまねぇな、ヒョロっとして貧相だから女かと思ったぞ」
「何だと!」
確かにドワーフのヨルクは小さいが、シミリートとジーモントでさえも、声をかけて来た大男達に比べると細く見える。
「口だけの優男じゃないのか?そこで決闘する勇気はあるのか?」
「受けて立つぞ」
シミリートが代表して答える。