王都シャトニーでの別れ2
王都シャトニーで、クロリスからの護衛依頼報酬を分配した8人。
「それでは俺たちはここで」
覚悟はしていたのだが、やはりシャドウがその言葉を切り出してきた。
「やはりか。王都が目的地だったからそうなんだろうが、2人だけで目的は達せそうなのか?」
「シミやユリ達が言葉を教えてくれたし、フィアやホーの従魔の街中での扱いのことも教えてくれた。何とかできると思う」
「そうか。俺たちはしばらく王都にいるはずだから、何かあったら連絡をしてくれ」
「って、シミ、どこで伝言するつもり?冒険者ギルドの窓口ってあんなに人が居たのに頼めると思う?」
「うっ、確かに」
「それに物分かりが良すぎに思えて分かっていないわね」
「ゾフィ、どういうこと?」
「みんな、ずっと旅して来ていて忘れていると思うけど、王都の拠点はどうするつもり?宿屋?」
「そうだな、宿屋なのかな」
「そうね、まずは宿屋にしてもシャドウ達だってどこか拠点を決めないとダメでしょ?それに宿なんて1ヶ月以上も居たらいくらになると思うの?借家の選択肢も考えた?」
シャドウもシミリートも反論ができない。
「ということで、まずは冒険者ギルドで斡旋してくれる宿や借家を聞きに行くわよ」
「え!?3人相部屋で食事無しなのに1人あたり1泊銀貨1枚?」
「そうですね、王都の城壁の中は敷地が限られるので、ある程度の治安を求める場合にはそのぐらいに。長期滞在の場合には借家の方がおすすめですよ」
「6人や8人の男女が暮らせる馬小屋のある家はどのくらいになりますか?」
「場所にもよりますが、月々金貨2〜3枚からありますね」