トルトヴァの街
国境を越えて、最初に到着したのはトルトヴァという街であった。
ただ、この街に入るときにも、商隊を率いるクロリスは税金を多めに取られているようであった。
街に入りまず宿の確保を行った後、ウィンデル達は冒険者ギルドに魔物の発生状況の確認に行っている。
ユリアンネ達は自由時間を与えられると、今までと同様に見聞を広める目的としてメモを持参の上で色々な店舗の様子を見に行く。
「なんか、値段が高くないか?品揃えも少ない気がする」
屋台で買い食いをする際だけでなく、色々なところが気になるヨルク。
「そうね、特に魔物の素材由来の物が高いわね。お肉を含めて」
「やっぱりトリアンダンジョンや魔の森で魔物がたくさん狩れるということは資源が豊富ということでもあったのね」
「衛兵達の装備も、ストローデ領に比べてお金がかかっていない感じがする」
「シミ、声が大きい!」
移動の合間で調合していたポーションを納品に行くと、思ったより高い買い取り額になり驚く以外にも、貰えた貨幣が違ったことに気づく。
書店も少なく、見つけた店舗でも魔導書の取り扱いなどとんでもない、という反応であったし、薬屋も品揃えが少ない感じであった。
宿屋に戻り、周りを気にしなくて良くなったところで皆の不満の声が出る。
「やっぱりトリアンは恵まれていたんですね。素材もたくさんあるし、だから色々と物価が安くて」
「やっぱり気づいたか。そうだぞ。モンタール王国、中でもストローデ領は近隣の中ではかなり裕福なところだぞ」
「だからですか?街に入るのにも、商人からたくさん税金を取るのって。どっちでも冒険者は証明を出せば優遇されているのはわかったのですが」
「えぇ、そこは税に対する方針の違いがありますね」