アンハン西の盗賊2
おそらくこちらに矢を放ってきていたと思われる盗賊らしい男達が、またしてもハイオークファイターに追われているようである。
「お前達、それ以上こちらに来ると攻撃する!死にたくなければ、その場所でハイオークに向き合え!」
ウィンデルが逃げてくる盗賊5人に対して叫ぶ。こちらが魔法使いの杖や弓矢を構えていることも分かっているようで、その場に踏みとどまり、方向転換してハイオークファイターに対して武器を構える。引き続き弓を放つ者も居れば、既に弓を放り投げてきたらしい者は腰から片手剣を抜いている。
ハイオークファイターの数は5体に見えるが、その盗賊達に立ち向かうのは2体、商隊のかまどの方に向かって来るのは3体であった。
「こちらも気を抜くな!」
ウィンデルの発声に従い、冒険者12人は、先ほどと同様にウィンデル達が1体、シミリート達6人とシャドウ達2人で合計2体の受け持ちになる。
真っ直ぐこちらに突っ込んで来るため、まずはテルマ、ゾフィ、フェザーの弓矢による遠隔攻撃とアントニウスとユリアンネによる≪火炎≫攻撃で優位に立つ。
その後は盾持ち3人がそれぞれ1体を受け持ち、それ以外は手持ちの武器で攻撃に参加する。
先ほどと同様にユリアンネの魔法攻撃がある1体に対して優位に立ちかけたところで、前方の盗賊が倒されたのか残る2体もこちらに向かってくる。
「まずいぞ!」
ウィンデルが後ろを振り向いたところで、クロリスが分かっています、というかのように縛りつけていた盗賊達に武器を配っていた。
「あなた達も縛られたままハイオークに殺されたくないでしょう?ほら、生き残りをかけて頑張ってきなさい」