金級冒険者エックハルト2
圧倒的な強さを発揮した応援に参加した男女2人。敵を殲滅したところで歓声が起こる。
「もしや、“流星槍”を使う“流星”エックハルトか?」
「あぁ、まぁ槍の名前はそうだ。俺をその二つ名で呼ぶ奴も居るみたいだな」
「そうか、本当に助かった。ありがとう!」
「エック、遊んでいないで回収を手伝いなさいよ」
男女2人は自分たちが倒した飛龍や地龍の死体を魔法の収納袋に収めて行く。
“選ばれた盟友”6人は自分達だけで何とか倒し切れたドレイクについては、彼らが回収していかないのを見て自分達の魔法の収納袋にしまう。そのあとは、昨夜と同様にシミリートがユリアンネ作の中級魔法回復薬を配布して怪我人を治療してまわる。
一息ついたところで、東側に逃げようとしていた者達も帰って来て、救援者2人を取り囲み打ち合わせを行う。
「改めてご挨拶します。こっちが金級冒険者のエックハルト。“流星槍”を扱う“流星”エックハルトという呼び名の方が有名かもしれません。そして私は銀級冒険者のシグラン。精霊魔法使いです。事前にお話ししたように私たちが倒したワイバーンとドレイクは回収しております」
陽気だが緩い性格のエックハルトに対して、彼の手綱を締めるしっかり者のシグランという感じである。
ラインハートなどこちらの冒険者リーダー達からも挨拶と救援へのお礼の後、気になっていることを2人に確認する。
「今回の地龍や飛龍だけでなく、ここに登るまで上位ハイオーク達など、日頃に見ることのない魔物が溢れているようなのです。お二人が登って来た西側はどうでしたか?」
「そうだなぁ。確かに森狼などではなくハイオーク達がたくさん居たな」
「はい、居ました。まぁ肉が高く売れるからありがたく回収しましたけれど」
「ん?西側のフスハレに向かうのか?向こうの方にもドレイクは居たし、行くなら気をつけた方が良いぞ」
エックハルトとシグランの言葉に、クロリス会頭達は頭を抱える。