モンヴァルト山脈の上位ハイオーク
“選ばれた盟友”の6人がまず2体のハイオーク、その後ろから追加になった1体も片付けたところで周りを見ても、それぞれ身近な敵を倒したか倒し終わる感じであった。
「ちょっと異常だな、このハイオークの数は。止まっていると危険だ。急いで出発するぞ!」
ラインハートの声かけで、各々は倒したハイオークの死体を雑に荷馬車に積み込んで出発する。
日が暮れて来たが、この状態での森での野営を避けるためさらに先に進める。先発グループも同様のことを考えているのか、彼らの野営場所だったはずの場所には誰も居ない。
完全に夜になって暗い中でも、≪灯り≫魔法や松明などを利用して前に進む。小休憩も最低限にして森を抜けることを目指す。
そしてもうすぐ森を抜けると思われたところ、前方から戦闘音、そして火魔法と思われる明るさが見えてくる。これまで先発グループの野営もなく追いついていないので、先発グループが戦闘しているとしか思えない。
「真っ暗の中で分かれる方が危険だ。とにかく森を抜けるぞ!」
商人達の馬車も含めて最後の一踏ん張りを行い、木々を抜けると、その奥で10台ほどの馬車を20人以上が守っているのが見える。そしてその集団の周りをハイオーク、それも大剣を振るう、もしくは弓矢を放つ、そして一部には魔法を放っている者10体ほどが囲んでいる。
「おい、あれは」
「ハイオークファイター、アーチャー、そしてメイジ……」
「Bランク魔物……」
自分達の半数以上が鉄級冒険者つまりDランク魔物相当であり、腰が引ける者が居ることは仕方ない。




