メイユ散策2
メイユで薬草を調達している流れで、フェザーに先日の治療行為について質問したユリアンネ。
「あれは故郷に伝わる治療薬と呪文」
「その治療薬の素材は買わなくて良いの?」
「探しているけれど売っていない」
植生が違うのか、フェザーが言う特徴の植物はユリアンネ達も探してみるが売られていない。
「それじゃあシャドウとフェザーは困るよな。持って来た薬を使い切ると」
「この地方の薬草での調剤を一緒にしてみる?」
「良いの?」
宿に戻ると、ユリアンネとフェザーが調剤の話をすることが決まった後は、再び街の散策に戻る。
ヨルクの希望通りの買い食いも行いながら、仲間達がそれぞれ興味のある店舗を覗いてみる。ユリアンネとしてはオトマンへの土産話と、自身の成長のためにも書店を見掛けると入ってみるが、トリアンのように貴族や豪商が居る街に比べて品揃えが悪く、魔導書は1冊も無い。
カミラ達も親の知り合いの店舗に入り、手紙を手渡すのと合わせて見学はさせて貰うが、これまでのモンブロワやコルバックと同様に、特に頼ることがある訳でもなく今後の親も含めた引き続きの付き合いをお願いするぐらいになっている。
また、シミリートの要望で城壁の造りも見学する。流石に魔の森の前の街ということもあり、森に近い北側に門はなく、一番外側の城壁は頑丈で分厚く、その上から交代で矢を射ることができるよう歩ける幅も広い。また城壁の内側から上への出入りができる階段が他の街に比べて多くあったのも印象的であった。
シミリートと同じストローデ領の衛兵ではあるが、この街では槍や剣だけでなく弓の装備率が高いのも魔物対策であると思われる。
トリアンほど巨大で有名ではないが、小規模のダンジョンがいくつか森の中で存在しているとの話もあるらしい。冒険者ギルドの依頼にはダンジョン以外の魔の森の魔物討伐が多く、これまでの2つの街よりも冒険者の数が多いのも、これからの山脈越えの大変さを予見させられる。