オーク襲来
野営時にオークに襲われていた商隊。何とか全員が起きて対応に当たっている。
「ディッキーさん達はこちらへ!」
「御者の皆さんもこっちだ!」
シミリートとアディーレが中心に、かまど付近に商人や御者達の護衛対象を集めてきて、その周りを冒険者が守るように並ぶ。
「荷馬車の食料が!」
「ベンヤミンさん!大丈夫です、荷馬車の入口はこちら側です。まずは落ち着いて!」
「ヘドとイルヤはどこだ!?」
「あっちに突っ走って行ったよ」
「何!あのバカ!……迷惑をかけているようだな。すまない……」
アディーレがヨルクに言われて状況を把握したようである。
「まずは護衛を優先!どうもオークたちは数が多いようだ。馬車の隙間に分かれる。引き続きそことそっちはシミリートたち6人、こっち側はウチだ。シャドウたち2人はあっちを頼む」
「了解!」
「分かった」
アディーレに割り振られた方向の馬車の隙間2つから入り込むオークたちに対して、いつもの6人の連携を指揮するシミリート。
「俺とジモが隙間2つに分かれる。ヨルクとカミラはそれぞれに分かれて攻撃。ゾフィとユリは遠くを攻撃。所詮はオーク。ハイオーク相手でも勝てる俺たちの敵ではないぞ!」
「ハイオークのお肉の方が良かったんだがな」
「ヨルク、この数がいればオークでもそれなりの希少部位が食べられるぞ。後で料理してやろう」
「あんた達、依頼者の前よ。軽口ばかりでなく、後ろに漏らさないようにしなさいよ」
余裕を持って対応している“選ばれた盟友”とは別の隙間1つを受け持ったシャドウ達も、シャドウが前に出て山刀でオークを刻む後ろからフェザーが矢を放ち、鷹のフィアもその奥のオークに嫌がらせをしている。馬のホーは邪魔になるからか他の馬達と待機している。