森の街モンブロワ2
一方、男性陣3人の方の散策である。
こちらも女性陣が居ない間に、シミリートが衛兵団の先輩に酔っ払いながら女性の口説き方などを教えられたことを中途半端な記憶のまま共有しながら、武器屋や飲食店を巡っている。
ジーモントの宿屋の見聞を広げることだけは実際に泊まってみないとわからないことが多いからである。もちろん通りがかりに外から見てデザインや入口の開放感などもわかることはあるが、宿屋の売りの一つになり得る料理の方が得るものが多そうである。
という名目で、ヨルクが鍛冶屋の意味の武器屋巡りより飲食の屋台巡りを注視していることに付き合うことになったのである。
こちらの3人はメモを残すようなこともせず感覚論であったので、宿で合流した時に叱られて、シミリートとジーモントの魔法の収納袋にも羊皮紙と羽根ペンを入れられることになった。まだ最初の街の段階でしかも初日だから今からでもメモをする癖をつけること、と母親達に言われるようにシュンとなる男3人。
衛兵に関する見学については、所詮は同じストローデ領の街であり、装備などにおいて参考になることは無い。ただ迷宮都市トリアンとは違い、一番外側の城壁が一番頑丈で、中心地にある街の代官屋敷付近は城壁というか単なる壁程度であることは、頭では理解しても実際に見てみてはじめて分かる物であった。また、事前にわかっていた事だが、代官屋敷以外に貴族街らしいものも無いこともトリアンとの違いであった。
その翌日は6人で揃って改めて冒険者ギルドに顔を出して雰囲気を味わったり、入手した2頭の馬と貸し馬を連れて街の外で乗馬の練習を行ったりして、最近はトリアンの自宅に籠りがちであった気晴らしをして過ごす。ユリアンネは人目も無いことから、新しい魔法の練習も行なっていた。
ただ、残念ながらヨルクの体格では用意した馬にまともに騎乗は出来ず拗ねさせてしまった。ドワーフ体型用の鎧や鞍も街に戻ったときに買うことで機嫌を直してもらう。
そしてその翌日、モンブロワについて4日目はいよいよ2回目の護衛依頼の出発の日である。