はじめての護衛依頼の完了
その後はずっと森の中のまま、森の中の街であるモンブロワに到着する。夕方に到着するまでは、森狼との戦闘も2度ほど停車して行ったが、初日に比べてヴァレマンとリリアンナの2人分の戦力が無くなっても問題なく対処できていた。
やはり当初の予定通り“赤い同志達”の6人が基本で、おまけの数合わせの“選ばれた盟友”の6人で護衛業務は対応できる内容であった。
モンブロワの城門で、まずヴァレマンとリリアンナの身柄を引き渡し、冒険者ギルドにその2人のことを説明するために依頼主プリアメデが付き添って行くことになった。
通常であれば、街の中に着いたところで依頼主が完了サインをするだけだが今回は特別とのことである。門の衛兵からも、ヴァレマンとリリアンナの身分証に基づいた引き取り証書を貰っていたこともあり、冒険者ギルドでの対応もすんなり完了した。
「皆さん、なかなか見所のある方々でしたよ」
と、依頼主プリアメデがお愛想込みと思われる言葉と共に、森狼などの買取料を渡されて別れていく。護衛の依頼料は既に冒険者ギルドの窓口で受領済みである。
その森狼の分配金の差配を終えたアンフィルが
「じゃあここでお別れだな。新人の割には雑用を含めてよく頑張っていたぞ。今後の成長が楽しみだな。これからも頑張れよ」
と声をかけてくれる。“赤い同志達”の他の5人からも色々と励ましの言葉を貰う。
女性冒険者の先輩であるランセリアからは、昨夜の見張り番の時にカミラが色々とアドバイスを貰ったらしく、ゾフィとユリアンネにも共有してね、と言われている。
「じゃあ、まずは宿の確保からだな。俺に任せておけ」
とトリアンで宿屋の後継長男であるジーモントが張り切るが、冒険者ギルドで初心者向けの安心安全だがお手軽料金と紹介された宿に向かうだけである。
宿で部屋の確保と合わせて馬2頭を馬小屋に預けた後は、屋台で買い食いしたいというヨルクには適当なところまでにさせながら、衛兵の詰所に戻る。