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ヤンデレ勇者ちゃん?登場!?

深い深い光も届かない暗闇の中、俺はひどい孤独感に包まれる。

前にもこんなことがあったが、あの時のような絶望感はない。

しかし、これは何処まで落ちていくのか…底の知れない闇…現実世界では中二病まっしぐらな感じだったが、実際に経験するとこんなにも深いのか。

目を閉じている方が、まだ明かるくらいだ。


「君が、魔王の言っていたハヤトクンか」

まるであの時…あの救世主(魔王)と出会った時を思い出す。

あの時と同じく、俺は後ろを振り返る。


そこには、青い瞳の肩まで伸びた鮮やかな金髪が特徴的な鎧をまとい剣を携えた美少女が一人立っていた。

その少女は、まさしく暗闇にさす一筋の光といった感じで神々しくまるで点から舞い降りた天使のようないでたちだった。


「君のことは、魔王から聞いてるよ。ここに来たからには何か理由があるんだろ?」

「理由までは聞いてないから、僕にそれを聞かせてほしいんだ。君のすべてを」

意味深に微笑んだ彼女に、俺は魅了された。

彼女は俺のもとにゆっくりと歩み寄ると、俺の顎をくいっと自分の方に手繰り寄せる。


「僕ねぇ、君のことだ~いすきなの」

お互いの顔が近くなったことで、より相手の表情が分かるようになった。

「だから、ここに来るって魔王から聞いてさあ。ワクワクしちゃってさぁ」

その表情は恍惚としており、明らかに異常者のそれだった。

「君のために他の冥級のやつら僕一人で先に倒しちゃっといたんだよねぇ」

その鮮やかな黄金色の髪を手でいじくりながら、いたずらっ子のような表情と口調で言った。



「ま、修行相手なんて僕一人で務まるだろうし。一生ここで僕と二人きり修業してもいいんだよ?」

「あんな魔王のとこなんかに戻んなくってもさぁ」

そう言うと、彼女は俺の腕にまとわりついてきた。

ふっくらとした感触とつやつやとした髪、そして何故かこんな風呂もないようなところに暮らしていただろうに何故かいいにおいがする。

なぜ女子はこうもいい匂いなのだろう。



「あ…あの…あなたは…?」

俺はさっきから自己紹介のないまま距離を詰めてくる彼女に謎の違和感を感じていた。

さっきの冥級を全て倒したという発言が仮に本当だったならただものではないことは確かだが…。

嘘だという可能性は否定できない。



「あ、それ聞いちゃいますぅ?…よくぞ聞いていただけましたっ!」

そういうと彼女は、彼女は俺にまたグイっと顔を近づけると微笑んだ。

それこそもう少しで唇同士が触れ合ってしまう程に。



「僕ねぇ、日本に住んでた時から君のこと知ってたの」

そういうと彼女は、大きく一回転し俺の顔を指さした。

「それは何故かっ!僕が日本から転生した伝説の勇者、ユリア・アイリスだからでありますっ!」

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