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第二話 クラスメートとの友情

「九先日くんっ…九先日くん…っ」

心地良い良い日差しの下、机にうつ伏せで寝ていた俺の元にわざわざ声をかけに来たのは、このクラスの学級委員長であり、この学校の生徒会長であり、この学校のマドンナでもあるという実績で渋滞が起きている茅野ひとみだった。

他のやつに話しかけられても寝たふりで通すだろうが、この人の前でそれをやるとその後の二次被害が想像つかなかったのでやめた。



「今日も寝てるの?学校いつもギリギリできてるよね?もっと早く来ようよ」

優等生からすると、やはり俺のような不良品は鼻につくらしい。

さっさと要件を話してくれればいいものを、毎回一つ鼻につくことを言う。


「じゃ、これ。課題なんだけど…みんなの集めてるんだ。学級委員のお仕事なの」

それを聞いた瞬間、俺の股間はキュッとなった。

「あ、悪い…課題なんだけど…」

「もしかして…ないの?」

俺は降参といった感じで、両手を上げる。


「そっか…じゃあ先生には私から言っておくね…」

あからさまに肩をおとしながら、向かった先を見ると教室の扉に寄り掛かっていた女子グループにあからさまに睨まれているのが見えた。

そして茅野はその女子グループとともに教室を出ていった。

恐らくは俺の悪口でも言ってるのだろう。


「ハヤトくん、今のはあんまりじゃないのかな?」

本日二人目の会いたくないやつに声をかけられる。

イケメン、文武両道、御曹司と平たく言えばの男版のような奴だ。

風紀委員と学級委員を兼任していて、茅野と合わせてこのクラスの二代巨頭のようなやつだ。


「はぁ…そうですね。以後気を付けます」

俺の言葉を聞いて、茅野同様あからさまに納得のいってなさそうな顔だ。

「そういうことじゃ…そういうことじゃないんだよ僕の言いたいことは」

そんなことはわかってはいるが面倒なので早く会話を終わらせたいと言うとさらに面倒くさそうなので心の奥にしまっておく。


「これからは…ホント…気を付けます」

俺が立って礼をすると、ようやく多少は満足したのか何も言わずに去っていった。

本人的には女子の前で風紀委員として反抗してくる俺を説き伏せかっこいい姿を見せたかったのだろう。

ただ、俺がすぐに折れたことで何処か消化不良のような顔だ。


「ったくよぉ、ホントお前はヘタレだよなぁ?」

他にももう一人、別のやり方で女子の前で俺を利用しかっこつけをしようとしている奴に声をかけられる。

守山アキラ、さらに後ろに岩国スミオ、古村イトネといつもこの三人で俺をいじってくる。

まったくもってこいつらからすれば、俺はいいカモなのだろう。


「テストも最下位とかよぉ。救いようねぇなぁ」

まぁ、もっとも本人はかっこをつけているつもりだろうが、女子は全くそれに気づいてはいないだろう。

ただ、俺に対するざまあみろという感情しか抱いていないだろう。


「お前らも、こいつみたいにだけはならないようにした方がいいぜぇ?」

意識して声をでかくしているのだろうが、間近で聞いていると耳に響く。

不愉快なので席を立って移動しようとすると、それがさらにあいつらに火をつける。


「逃げんのかよぉ~まったくおつむがゆるいねぇ~九先日くんはぁ」

おちょくってはいるが、満足したのか追ってくる気配はない。

俺はいつもの定位置、屋上への階段を一階二階と登る。


屋上への扉を開けると、そこには先客がいた。

「よっ、待ってたぞ」

そこには、俺の救世主こと魔王ユグノア・アリアドアがいた。


「……はっ!」

俺は目を覚ますと、ふかふかとした感触がして下を見るとベットで寝ていたのだと分かった。

「ん……っ…ん~」

右手になにか絡みついている気がして見てみると、そこには全裸の魔王がいた。

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