復讐まみれのこの世界で、虐げられたMP1の最強魔術師は余裕で生き抜く
怠け者の作者が連載を続けられているのも、皆さんの応援のおかげです!
これからもこの作品を愛してやってください!
文字数が少なく感じるかもしれませんが、その点は精進していきたいと思っています。
一応不定期ですが、毎日投稿頑張っていきたいです。
暗闇の中で、その光はどんどんと小さくなっていく。
魔王戦で敗れ、3年4組のクラスメートは俺以外は全員外に逃げた。
無意識に手を伸ばし、その閉まっていく扉その先にいるクラスメートに助けを求めるも彼らにその意思はないようだった。
とてつもない絶望感と孤独感の板挟みで、はっきり言って漏らしていた。
「おい、人間。おぬしここが王の間と知っての無礼か?」
突如真後ろから男とも女ともつかない、体の内から響いてくるような声がして股間がきゅっとなった。
九先日ハヤトは恐怖のあまり、その場に膝立ちでぷるぷると震えていることしかできない。
「顔をよく見せよ、後ろを見いていては、良く見えんだろうが」
声の主の気配が、一層大きくなり、それと同時に俺の恐怖の度合いも爆発的に大きくなる。
振り向いた瞬間やられる、その確信があった。
「仲間だと思っていた者たち(クラスメート)に裏切られたのだろう?」
何故か俺のことを知っているその声の主は、俺の頭をつかみ強引に振り返らせた。
振り返った先にいたのは、赤い瞳に褐色の肌をした…ふくよかな胸元にそして肩まで伸びている黒髪の間からは大きくまがまがしい角が生えていた。
――その人を見て、恐怖よりも美しいという感情を抱いた。
松明しか明かりのない薄暗い中、その人の存在は浮いているように見えた。
それほどまでに妖艶な見た目をしていて、俺の心は魅了された。
「我が名は魔王ユグノア・アリアドア。ずっ~と、見ていたぞ?。ここからな」
そう言うと、彼女は自分の目を指さしてニコリと微笑んだ。
「この邪神の魔眼を通して、お主の生活は逐一全て…」
魔王がなぜ俺なんかのことを監視しているのかは分からない…。
監視するならするで、同じクラスメートの勇者候補のヤスヒトや王国随一の回復魔術師のマサトとかならまだしも…。
俺はクラスの中でも最下位…監視するメリットもくそもない…人質にしやすいから…という理由にしても魔王なら気を伺わずともできるだろうし、あいつらは俺が人質に取られたところで平気で見捨てるだろう…。
「私はな…お前のことが好きなんだ…」
ありえない…かすかに聞こえたその声は、想像だにしないものだった。
「だからな…お前の好みを知ろうとしただが、一向にそういうそぶりを見せんからもどかしいと感じていたのだ」
どうやら、聞き間違いではなく俺の耳は彼女の声をしっかりと取られていたらしい。
「そんな中、お主を連れてきてくれたあいつらには感謝せねばな」
「ただ…やつらには、復讐する。そうだろう?ハヤト」
俺の顔をクイッと指で持ち上げた彼女の顔は、笑みを浮かべていたがその奥には確かな憤怒の炎が宿っていた。