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作品1-4
この度は、当作品をご覧くださりありがとうございます。
この作品1は試験的な投稿です。
当サイト様の色々な設定・仕様を確認しつつのことでございますので、もしかしたらお見苦しいこともあるかもしれません。
ただ、今後も定期的に投稿していく予定でございます。
どうぞお付き合いをよろしくお願い致します。
安乃澤 真平
私は居間に戻ると、床に置かれたままの写真立てを真上から掴むようにして拾い上げ、机の上にひょいと投げた。写真立てはくるくると空中で二、三回転して私に表を向けた。私は持ってきた金属片を使って収められている写真に大きくバツ印をつけた。
庭に立つ母が写っている。青いジーンズにピンクのシャツを合わせ、斜に構えただけで飾らず、静かに微笑んでいる。
いい写真だと思った。綺麗な母だと思った。それが一層憎らしく見えた。バツ印が薄いと思えた。私はバツ印の上を再び金属片でなぞった。
つづく。