24.遭遇
「ここが空間か」
今僕は空間に飛ばされた。
「ご主人様! これはどういうことですか」
「ここはどこだあ?」
飛ばされたときの衝撃でレピティ達も芽を覚ます。
「いや、どうやら僕達はオーレンにハメられたみたいなんだ」
「ハメられたとは?」
僕はそれからみんなにオーレン達が正体を現したことを説明した。
「成程……それは大変なことになりましたね」
「ですが、この先に師匠がいるかもしれません。それならかなりこの状況も好都合であるといえるでしょう」
「そうですよね! 自分もそう思って空間に転移したんです」
「やっぱりご主人様はわざと空間転移したんですね! 流石です」
「いやそれほどでもないよ」
「おいグラス……ここら辺はかなり強い魔物のオーラを感じるぞ! 気を付けるんだ」
「っ!」
「ググゴゴゴ、ゴゴゴゴゴ!」
気が付けば僕達は魔物に囲まれていることになった。
「こいつは困ったな、どうしたものか」
「この魔物一体一体がかなりの強さです。一気に片付ける必要がありそうですよ」
「そうですねゼーネシアさんはレピティとエルカのサポートを受けつつ後ろの魔物をお願いできますか。後は僕が引き受けます」
「分かりました。お願いします!」
「さて、久しぶりにやりますか」
S級以上の魔物と対峙するのは、勇者パーティーを追放されたあの時以来である。あの時生じたショックは今も頭の中で根強く残っている。
トラウマともいえるこの対面を克服する機会がやっと来た、そんなことを思っていると自然と力が湧いてくることに僕は気づいた。
「グオオオオオオオオ!」
魔物たちは方向を放つと一斉に僕達を襲って来るのだった。
「分析……出力」
「ぐわああああああああああ」
「ふう、やっと調子が戻ってきた……」
魔物は僕の分析によって一瞬で消え去ることとなった。
「はあああああ!」
「ズサッズサッズサッ!」
「ギュワあああああ」
「サポートします! 攻撃バフ付与!」
「私もサポートするぞ、回復バフ付与!」
「ありがとうございます。 はああああ!」
「ズサッ、ズサッ、ズサッ!」
「グオオオオオオオオ!」
「ぐっ!」
「ゼーネシアさん! 大丈夫ですか!」
「問題ありません、少々掠っただけです。一気に型を付けますよ」
「はい」
「創生剣・神威」
「ギュアアアアアアア……ドサッ」
「ふう、中々の強敵でしたね」
「はい!」
「みんな~魔物倒したか」
どうやら、見ていたところ結構苦戦していたようだったな。
「ええ、かなり強かったですがなんとか……」
「ご主人様あの数の魔物をもう倒してしまったんですか! 流石すぎます」
「当たり前だろレピティ、だってあのグラスだぞ」
「そうですね。当たり前でしたね」
「よしっ、それじゃあ、先に行くか」
僕の意見は皆に受け入れられた。しかしゼーネシアさんでも苦戦するとなると、勇者パーティーの連中もかなり危ないんじゃないのか。果たして彼らは大丈夫なのだろうか。
「うっ、うっ、うっ」
「お前はフォラリフェ?」
僕達は空間を進んでいると、血だらけのフォラリフェがボロボロになって倒れていた場面に遭遇した。
「俺は一体……はっ」
フォラリフェ今まで意識を失っていたかのように今の状況の変化に気づく。
「あ、あなたは! う、うわあああああああああ!」
フォラリフェがこちらに気づいたと思ったその時、突如見えない何かに身体を引っ張られて遠くへ飛ばされることになった。
「お、おい」
「どうします? 追いますか」
「そうだな……偶然にも場所は同じだし、追った方がいいかもしれない……それじゃあ先に進むよ!」
僕の提案は皆に受け入れられることとなった。
「おい誰かいるぞ!」
先に進んでいった先の大部屋には何者かがいた。座っているようだけど何をしているんだ。
「あいつは……」
金髪の髪に見知った服を着ている男、よく見たら僕がよく知っている因縁の相手であった。
「師匠!」
「ん? なんだお前達もここへ来ていたのか」
僕達は遂に勇者セルファシアと再び遭遇することになったのである。
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