21.跡地
魔王軍幹部の拠点、そこにはかつて魔王軍幹部が作戦会議をする際に集会を開き集まっていたそうだ。
「しかしあの如何にもプライドが高そうな魔王軍幹部の連中が一堂に集まって集会を開くなんて想像もできないですね」
「そうですね、今思えば結構数年前の魔王軍幹部の襲来は考えられて行われていたものなのかもしれません」
全くそんなことは想像できないなとゼーネシアさんの発言を聞いてて思うことがあった。
現在僕たちは魔王軍幹部の拠点跡地を目指している。ルートはゼーネシアさんがセルファシアさんからもらったデータから把握することが出来ているのだが、本当にこのルートであっているのだろうか。
「さっきから随分と緑が豊かですねご主人様。魔王軍の拠点という話だったので、私もっと禍々しい場所かと思っていました」
「そうだよな、まさかこんな緑豊かな場所に拠点があるとは思わないけど、まだちょっと距離があるから、もう少ししたら変わってくるのかも」
魔王軍の拠点にかなり近づいてきたものの、あまりにもイメージとかけ離れた緑豊かなこの光景はルートミスを僕達に彷彿させた。
「なあ、なんか熱くないかグラス、それに湿り気が凄い……これ、本当にここらへんの気候なのか」
「おかしいですね。師匠のデータによるとここら辺は荒廃した荒野が広がっていて、日の光は届かずに低温となっています。しかしルートからはそれてない筈……どうも状況がおかしいです……まさか何者かの干渉!?」
「本当ですか? ちょっと試してみましょう!」
僕は周囲の魔力を分析して、消滅の出力をした。
「バリバリバリ!」
すると周囲に壁のようなものが張り巡らされていて、それが徐々に剥がれ落ちていった。
「これは広範囲結界!?」
「え? どういうことですか。なんで僕たちの周囲に結界なんかが」
「なんだと!? 結界が消されただと?」
「誰だ!」
結界が破られたことで驚きを示している人物が僕たちの目の前に現れたのであった。
「いや俺達はギルドの冒険者だが、そっちは何者?」
「俺か……俺は……何者でもない。そうか冒険者の方だったか……良かった。さっきはすまない、俺はもうお前達に危害を加える気はないよ」
「?」
僕達は勝手に話を理解しての納得した表情をするその男を見て、顔を見合わせて不思議に思った。
「俺は昔あそこにある魔王軍幹部の拠点で、魔王軍の捕虜となっていたんだ。数年前かな……すっかり、魔物は消え去って俺は一人取り残されることになった」
「周囲の捕虜はあなただけだったんですか」
「いや、他にもたくさんいたんだが、皆いなくなっちまったよ。そりゃあこんなところに何年もいずわっている変わり者はいないだろうよ。皆ここから出れて大喜びさ」
「うーん、じゃあ何であなたはまだここにいるんですか」
「そうだな……事情を話すには魔王軍の拠点に来てもらった方が早いかもしれないな」
「じゃあ、丁度良かったです。僕達も丁度魔王軍の拠点を目指していたんですよ。是非とも案内してもらえたらと思います」
こうして僕たちは魔王軍の拠点近くの場所で、拠点の住民である男に道案内をしてもらうことになった。
「ここが魔王軍拠点跡地だよ」
「へえ」
古びた王城から日の光が当たらない、その場所は非常に魔王軍の拠点に相応しいものを感じた。
「それでこれこそ俺がここを離れられない理由なのさ」
「!」
「オーレン! どこいってたのお?」
「よーし! よく迎えにきてくれたな、シレニア」
「この子は?」
気が付けばそこにいたのはサキュバスの少女だった。
「どういうことだ? 魔王軍の魔物は全滅したんじゃなかったんだっけ」
「確かに数年前の一件により魔王軍は全て討伐されたけど、この子は連中が唯一出動させなかった唯一の魔王軍の生き残りなのさ」
「え? それってやばい奴なんじゃ」
まさかの魔王軍の生き残りの登場に皆は動揺することになった。
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