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19.無限出力~後半追放サイド~



「大変ですグラスさん! 師匠が魔力を解放しました。無尽蔵に生み出される師匠独自の魔法陣の無限出力がきますよ」


 何だそりゃ、無限出力って、ゼーネシアさんの言っている意味が分からないが、凄い焦っているのは分かるから少しだけ警戒しておこう……っ!


 気が付けば勇者セルファシアの周囲に数千の魔法陣が出現していた。





「す、凄い……けど」


「バリン!」


「ほう……」


「バリン! バリン! バリン! バリン!」


 僕は次々とセルファシアさんが作り出す魔法陣を分析して消滅させていった。


 次々と消滅する魔法陣、それと同様に次々にセルファシアさんが魔法陣を出現させていく。


「バリン! バリン! バリン! バリン!」


 高度な魔法陣の演算の横行、これは忍耐勝負になってきそうだな。


「面白いな、私の魔法陣を次々と書き換えるとは、その演算能力は魔王に似たものを感じる」


「随分と余裕ですね」


 まあ、魔王の力でもあるんだけど。


「ふむふむ、見たところアイテムを介して元々あった演算能力から出力を促しているわけか。ただひずみがある今、私の側でその力を使えるのは精霊を出現させられるこの場限定となってきそうだな、どうりで勇者パーティーにいた時に何もできなかったわけだ」


 次々と魔法陣が展開、消滅していく中でも、セルファシアは余裕そう何か考えた様子を見せる。僕も魔法陣消滅させるまでしか手が回らない。


「そしたら私がここから出ていけば、いいんじゃないかな」


「させませんよ、そんなこと」


 場所を変えようとするセルファシアさんであるが、その隙を僕は与えないようにした。




「勇者様―見つけましたよ痕跡」


 その時周囲にも聞こえる念話で勇者セルファシアの元にシセレッサからの連絡が届く。


「ふう、やっとか」


 するとセルファシアは魔法陣の出力を止める。


「ちょっとここらへんで私は退出させてもらう」


「ちょっと待てって!」


「ゼーネ、私の用事はもう済んだ、次の伝言だ、私は魔王軍幹部の拠点の跡地に行く、この魔力データを頼りに付いてくるんならお前ら補助班は好きにするといい、さらばだ」


 それからセルファシアは城から出ていったのであった。









「う、うわあああ! ううう……」


「あはははは、凄い無様で面白いねフォラリフェ君、言葉も話せなくなっちゃったの?」


「う、う、う……」


「本当お人形さんみたいね。凄く面白い、ほら動きなさいよ」


 フォラリフェは発狂しながら城の外を出ると、精神崩壊を起こしてまともに意識を保てなくなっていた。


 そんなフォラリフェを見ながらシセレッサは楽しそうに笑う。


「ほら、ほら、フォラリフェく~ん、君が持っていた杖ですよ~」


 シセレッサはこの状況を面白そうに思ったのか、フォラリフェが持っていた杖を盗んで目の前でちらつかせた。


「う、うああ、うあああ」


「ダメダメダメ! そんなんじゃ、杖は取り返せないよ」


「バシッ!」


 シセレッサは手を前に出し杖に触ろうとするフォラリフェから杖を遠ざけながら、フォラリフェにビンタをした。


「うわああ、うううう……」


「あはははは、これは傑作! 完全に壊れちゃったみたいね」


「う……う、う、う」


「さあて、これからどうこのおもちゃで遊ぼうかしら……」


「ドドドドドドド!」


 シセレッサは城の中で揺れ動く轟音に気づき、城の上層を見上げて目を細める。


「ふうん……中々派手にやっているようね」


「う、うああああ、うああああああ」


「触んじゃないよ!」


「ドかっ、ドカっ!」


「うあああああん」


 シセレッサは無意識に足に纏わりついてきたフォラリフェの顔面を思いっきり足でけり上げた。


「面白い、でもそろそろ、次のフェイズに進めたいかしらね」


 そう言うとシセレッサは手元に闇の魔力の痕跡を放つ原石を持ちあげた。


「ふふふ、見つけちゃった。勿体ないけど勇者様に報告しないとね」


 シセレッサは念話をセルファシアにする。


「勇者様……目的の物が手に入りましたよ」


「分かった直ぐに戻る」


 ふふふ、これで私の勇者様からの株はうなぎのぼりってところかしらね。


「うあああ、うううう」







「よくやってくれたなシセレッサ」


「はい」


「うううゥゥゥゥ」


「そいつはどうしたんだいったい」


「フォラリフェは勝手に持ち場を離れたんです。それで、帰ってきたらなんかこんな有様に」


「……放っておけばいいだろ。こいつにはお似合いの姿だ、そこらへんに捨てておけ」


 セルファシアは脱力状態で倒れてシセレッサに片手で抱えられているフォラリフェを見て冷たく言い放つ。


「そしたら、私がフォラリフェを連れてっていいですか。面倒を見るんで」


「貴様……私に指図を……まあいいだろう、今回の功績のお礼だ。そいつは好きにすると言い」


「ありがとうございます」


 シセレッサはセルファシアにかなり気に入られている様子を見せる。


「やっと見つけたぞ精霊都市にあると考えていた痕跡……ここにはもうようはないな」


「シセレッサ行くぞ、次の目的地は魔王軍幹部の拠点の跡地だ」


「分かりました!」


「面白かった、続きが読みたい!」


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