15.企み~追放サイド~
「へえ、こんなところに都市があるなんて、精霊共はとんだ小細工を思い浮かぶものですね」
「……貴様黙れといっただろ」
「すいません……しっかしセルファシアさんが一瞬で精霊共の小細工を解除したのには驚きましたよ。何かカラクリがあるんですか」
その時フォラリフェにセルファシアが剣を向ける。
「貴様……この私から詮索をしようというのか」
「す、すいません……」
フォラリフェは黙る。
「ちょっと念話が入った、私は席を外すからお前達は引き続き痕跡を探せ」
「……分かりました」
「……」
フォラリフェとシセレッサは精霊都市ファイフォビスに入ってから、魔力の痕跡を探すようにセルファシアから頼まれていた。属性は闇、通常なら光属性が主な精霊都市に闇属性の魔力があればすぐに分かる筈であるがセルファシア曰く、光属性でコーティングされてカモフラージュされているそうだ。しかしその程度は勇者パーティーに選ばれた2人にとって感知は容易であるとされているもののいまだに見つかっていなかった。
そんな中セルファシアが席を外すとフォラリフェは舌打ちをした。
「フフフフフ、また怒られたね。そろそろ首切られる頃なんじゃない?」
「ちっ、調子に乗りやがって……」
「あれれれ? フォラリフェ君こわ~い! 勇者様にそんな陰口叩いていいの」
「俺は強い人は好きだけど、傲慢な奴は好きじゃないんだよ。だんだん俺の中での勇者像が壊れ始めている。たっく魔王を倒したあのメガネに続いて、なんでこう俺の理想からどんどん外れてくかな~、勇者パーティー結成っていうから期待してたのに」
「人に理想を押し付けるなんて、随分とフォラリフェ君は精神的に狂っているのね」
「シセレッサさんには言われたくないっすよ。あなたからは狂気しか感じませんもん」
「いや~私もフォラリフェ君の理想から外されちゃうかも~」
「安心してくださいよ、今のところシセレッサさんは僕の中では100点ですよ。そのいかれ具合がいい」
「中々いい事言うんじゃない? 少し気に行ったかも」
「光栄ですね」
フォラリフェとシセレッサ、2人の狂った思想の持主が怪しげな対話を繰り広げる側でセルファシアは精霊女王からの念話を受けていた。
「精霊と人の間のひずみについて聞きたいから、こっちへこいと、お断りだが。今こちらは忙しいんだ」
「ですが、あなた様の事をよく知っている冒険者御一行様がこちらへお見えになっていますよ」
「ゼーネか……予定より早い時間にここまでたどり着いたようだな」
「ゼーネ? ああゼーネシアさんという方もいましたね。どういったご関係なのですか」
「お前達には関係のない事だ。私とゼーネの関係は誰にも干渉させない」
「ちょっと怖いですよいきなり。私はあなた様に大変興味を持っています。何故精霊と契約するに至ったのか。精霊契約は本当にごくごく少数の奇跡的な人と精霊の干渉によって生じるものです。そんな精霊契約者が一日に複数人も現れたのですから、私としては喜ばしい限りですよ」
「そうか、ゼーネは確かホルテラと契約していたな。それでここに入れたと言う事は、また再開したと言う事か。めでたい事だな」
「その言い方だとやはりあなたは契約精霊が契約主の元へ現れない今の現象についてご存じなのでしょうかね。私としては今回の議題として、その部分が大きく取り上げたいと思っているのですが」
「ふん愚門だな、私を誰だと思っているんだ」
「いや知りませんけど」
「ならそのままでいい……精霊女王なのだから精霊の事だけ気にしていればいいんだ」
「あら、随分ないいようですね。この精霊女王セレネティリアと対話する者はある一定の敬意は示してくれる方が多い筈なのですが、あなたは少し他の方とは違うようです。俄然興味が湧いてきましたよ」
「貴様の興味などどうでもいいわ。それで、提案の件だが了承した、今から私がそちらへ出向こう」
「いいんですか! 良かった、そしたらお待ちしています」
「ああ」
セルファシアはセレネティリアとの念話を絶つと、フォラリフェ達の元へ戻る。
「また精霊女王から念話が来た。補助班が到着したという連絡があったから私は城に行くつもりであるが、お前達はここで引き続き痕跡の捜査をするんだ」
「はい」
こうしてこの場で別行動するはずであったフォラリフェとシセレッタであるが、2人は悪い笑みを浮かべる。
「ねえ聞いてたフォラリフェ君、補助班が到着したんですって」
「ああ、面白くなってきましたね。俺達も城へ向かいましょう」
「ええ? 勇者様の言いつけを無視しちゃうの」
「何を今更言ってるんですか? もう僕は形だけしかあの勇者を敬うつもりはないんで。それにバレなきゃ問題ないですよね」
「凄い自信だね~まあ面白そうだから私も行こうかな」
「そうでなきゃね」
こうしてフォラリフェとシセレッサはセルファシアの指令を無視してセレネティリアのいる城へ侵入するのであった。
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