11.幻惑郷~前半追放サイド~
「……」
それから勇者パーティー内での立場かなり下がり自信を失った様子のフォラリフェ、最初の頃の勢いはなく、かなり無言の時間が増えていた。
肩を落として俯いた様子のフォラリフェにシセレッサが顔を近づけて話しかける。
「ねえ、ねえ、フォラリフェ……」
「な、なんだよ、今ちょっと気分が乗らないんだよ。話しかけてくんなよ」
「フフフフ! 今どんな気持ち? 優越感に浸っていたのに、見下していた対象に評価で実は負けていて、今どんな気持ち?」
シセレッサは今フォラリフェが一番気にしている言葉を真っすぐに選んで撃ち抜いてきた。これにはフォラリフェもかなり動揺する。
「……っ! お前、よくもそんなことを俺に向かって……というかお前なんなんだよいきなり饒舌になりやがって」
「駄目だよフォラリフェ、今セルファシア様の評価は私の方が上なんだよ……つまり私に何かすれば、次はフォラリフェがあのメガネみたいにロストクエイクに捨てられるかも」
「……っ! き、貴様! 俺をあんな雑魚と一緒にすんじゃねえ!」
捨てらてもあのグラスと違って自力で生還できるが、セルファシア様に捨てられたときのショックにかなり心をやられるかもしれないとフォラリフェは感じる。
「アハハハハハ、その反応面白い! 少しは自分の立場を理解したみたいね」
「……分かったよ」
フォラリフェはシセレッサの毒気に当てられて、少しだけ委縮する。同時に出されたグラスの話題を前に不快感を示した。
「クソっ、しかしグラス……あの野郎、本当に不愉快だったぜ。魔王を倒したっていうから凄い奴と同じパーティーになれたと思ったのに、S級魔物ごときにあのざまだ。まあもう生きてないと思うが、万が一もう一度出会えたら、もう一回ぶっ飛ばして、今のイライラを思いっきりぶつけてやりてえぜ」
「フォラリフェ~……何1人でブツブツ呟いてるの?」
「……なんでもねえよシセレッサさん」
「キャハハハハハ、さんだって面白い。君の器の小ささに僕は気に入ったよ」
こいつの一人称は僕だったのか、色々と見た目と中身が乖離している奴だ。
「俺は元々強い立場に着くのが好きなんだ……弱い奴を見ているとなんかこう、胸の中がイライラするっていうか拒否反応を起こすんだよ。でもシセレッサさんからは強者のオーラを感じた」
「ふーん、見どころがあるのね、ふふふふふふ……そしたらさ、ちょっと提案があるんだけど」
「なんだよ」
「あの補助班でさ、セルファシアさんの弟子にくっついていた二人組の子達がいたでしょ」
「ああそうだな」
「そういつらにさ、ちょっと嫌がらせしてやらない」
「そいつらねえ……確かあのレネの奴に似た聖女もいたな……しかもあのグラスの奴の連れだし……いいねえ、面白いこと思いつくねシセレッサさん!」
「ふふふ、そうでしょ」
「決まりだな」
2人の勇者パーティーメンバーはそう密かに話しながら、悪い笑みを浮かべた。
「おい、お前らよそ見をするな。そろそろ精霊都市ファイフォビスに到着するぞ」
「はい分かりました」
そんな二人も勇者セルファシアに話しかけられると、直ぐに切り替えを見せるのだった。
「やっと着いたようですね。ここが精霊都市ファイフォビスのようです」
ゼ―ネシアさんの案内を受けて遂に僕たちは精霊都市ファイフォビスに到着した。
「凄いなこれは」
不思議な建造物に囲まれているファイフォビス、薄紫色に一つ一つの建物が光っているように思える
「幻惑郷……」
「何か言いましたかゼ―ネシアさん?」
「いえ、ちょっと昔師匠から聞いた逸話を思い出しましたの。通常精霊に人は干渉できないし交わることは無い存在……しかしある場所に精霊と人が交わることが出来る幻想郷と呼ばれる場所がこの世界にあると……」
「それってここ精霊都市ファイフォビスにも当てはまるじゃないですか!」
「ええ……そうみたいですね」
「かなり神秘的な名前ですね」
「そうか、私にはさっぱりだ」
「ハハハハ」
レピティとエルカとでは感受性にかなり差があるらしい。
「それじゃあ、早速中に入ってみましょう。セルファシアさん、そしてミルティやホルテラ様にも会えるかもしれません」
僕の呼びかけにみんな応じてくれた。遂に精霊都市ファイフォビスの中へ入ることになったのである。
ここから毎日投稿に戻ります。
「面白かった、続きが読みたい!」
などなど思った方がいましたら下の☆☆☆☆☆から作品への応援をお願いします。
ブックマークも頂けたら幸いです。




