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8.誕生日会 後半

「グラス君よく戻ってきてくれたね! 時間ギリギリだけど本当に良かった」


「間に合ってよかったです! 早速お願いしますよ」


「任せて! エイマが来るまで準備を全部済ませてあげる!」


 そう言うとセイラさんは凄まじい速度で料理の仕上げを始めた。




「これはケーキですか?」


「ええ、そうよ! まあ想像つくわよね」


 誕生日だしこの材料は間違いなくケーキを作ることは想定できた。


「しかしこれ時間が掛かるんじゃないんですか? 後数十分しかないんですけど、大丈夫なんですかね」


「間に合わせるしかないでしょ!」


「そう言って急いで手を動かすセイラさん、しかしこの様子だと明らかに間に合わなそうである」







「大変です残り10分を切りましたセイラさん!」


「嘘! もうそんな時間なの、早くしないとエイマが帰ってきちゃうじゃない」


 みんな準備を済ませておいて! こっちは本当にあと少しだから!


「分かりました!」


 セイラさんのお願いを聞いてレピティとエルカは急いで誕生日会の準備を始めた。


 しかしこれはどうやら間に合わなそうだな。これは素材の調達で少し時間が遅れた自分のせいでもあるしここは思い切って……。


「もう! これはお手上げかも……」


「セイラさん! もう最終手段です! ちょっと調理法を一通り僕に教えてくれませんか」


「え? いいけどグラス君は何か打開策があるの」


「任せてくださいよ。いつものあれで完璧です」


「ああ……あれをつかうのね。料理にでも使えるなんて驚き!」


「まだやったことは無いですけどね……多分大丈夫でしょう」


「すっごい不安なんだけど……」


 そう話し合うと僕はセイラさんにケーキの調理法を一通り教えてもらい頭の中でイメージをした。


「それじゃあ始めますよ! 分析!」










「はあ……今日も疲れた、たっく依頼主の奴め、依頼内容と違う要求をしてきおって」


 誕生日会は他のギルド冒険者の邪魔にならない様に、エイマさんの執務室で行われる。本当はセイラさんが1人でエイマさんにこっそりやる会だったそうなのだが僕達も助っ人として緊急参戦することになったのだった。


「うをおおおおお、なんだこれは!」


「バン! バン! バン!」


「誕生日おめでとう!」


 クラッカーが発射されると共に僕達は執務室に帰ってきたエイマさんの誕生日を祝福したのだった。



「お、お前ら……私のためにこんな大層なものを……」


 エイマさんの涙腺が緩んでいることに僕達は気づいた。


「ははは! エイマ顔がくしゃくしゃになってるじゃない。そんなに嬉しかったの?」


「当たり前だろうが! 今までセイラと二人でしょぼいプレゼントを渡しあっただけだったからな」


「しょぼいって何よ! 今回はグラス君たちが手伝ってくれたからこんなに豪華になったのよ、感謝しなさいよ」


「ああ! ありがとうな」


 エイマさんは笑顔で今回の会を祝ってくれた僕達に感謝をするのだった。


  エイマさんはこれで19歳になったそうだ。ケーキにはロウソクが19本たっており、その光景を見たエイマさんは普段の凛々しい雰囲気とは違い、19歳らしい普通な様子を見せていたのであった。




「面白かった、続きが読みたい!」


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