表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/173

53.リベンジ

「悪性のホルテラ様おとなしくしてください。あなた前回僕に負けたじゃないですか!」


「だ、黙れええ! 今度は手を抜かんぞ 《超神聖結界発動》」


「なんだこれは」


 悪性ホルテラが術を発動すると、球状の結界が辺りを覆い僕と悪性ホルテラ以外のものを隔離する。


「ははは! この結界により他の邪魔が入らなくなったぞ。さらにこの結界内だと私以外のパワーが軽減するのだ。どうだ辛いだろ?」 


「いや、別に特に変化とか感じませんけど。まあ隔離してくれたのはこっちにとっても好都合ですし」


 僕は瞬時に結界の魔法陣を分析して、適合できるように数値化して自分の身体に出力を促していた。


「ふ、ふん……平然としてられるのも今の内……なっ! 貴様は何でこんなところに」


「うん? 誰に話しかけて」


 悪性ホルテラが僕の背後を指さしているので、振り向いた。


「ゼーネシアさん!」


「いや、遅くなってすいません。お2人とも。もうちょっと様子を伺ってたかったんですが、結界を張られてしまいそうになったので、急いで来ちゃいました」


「来てくれてたんですね!」


「ええ、勿論ですよ。ちょっと悪性ホルテラの相手は私に任せてもらっていいですかグラスさん」


「全然大丈夫ですけど、ゼーネシアさん大丈夫なんですか? かなり強いですよ」


「私もあれから少し鍛えて来ましてね。腕試しをしたいんですよ」


「腕試しだとゼーネシア! お前私に精神空間でボコボコにされたのを忘れたのか? 二の舞にしてやるよ」


 悪性ホルテラが魔力を高める。なんだろう凄く今回のゼーネシアさんは余裕な笑みを浮かべている気がする。


「フフフ、このリベンジマッチを待っていましたよ。いでよホルテラ様」


 その時結界の中に強烈な光が宿るのであった。




「す、凄いホルテラ様が2体に並んだ」


 悪性ホルテラ様とゼーネシアさんが精霊契約したホルテラ様が並ぶ、見た目がそっくりであるが、色合いが少し悪性ホルテラ様の方が薄いか。いずれにしても同じ姿の精霊が2体立ち並ぶと異様な光景である。


「き、貴様、精霊契約をしたのか」


「勿論です。好き勝手やっていたあなた、そしていずれ来る魔王を滅するために私達は協力することにしました。本物の我が力を前に覚悟するのです偽物」


「誰が偽物だ! 元々私の方が力は強かったんだ。だからお前は精神空間に抑え込まれて、私が表にずっと出ていた。その事実を忘れたか?」


「まあ直ぐに分かりますよ。ゼーネシア、行きますよ」


「こうも同じ姿のホルテラ様が2人もいると調子が狂いますね。ただ魔力の邪悪さで、判別は容易ですが」


 ゼーネシアさんが剣を悪性ホルテラに向けて構えを見せる。


「それでは始めますか先ずは【魔力付与・セルファシア】」


「ふん、性懲りもなく勇者セルファシアの魔力付与か、それは前回通じなかったことを学ばなかったのか……っ!」


 何だろう、悪性ホルテラの言う通り前回と同じはずの勇者セルファシアの魔力付与をしたゼーネシアさん、しかし今回はどこか魔力が透き通っているというか、とても静かだ。


「て、てめえホルテラ、ゼーネシアの奴に何かしたな」


「ええ、私の一部に過ぎず記憶が欠損している偽物のあなたは知らないでしょうけど、セルファシアは普段、魔力発動の際に精霊契約していた私の力を使っていたのですよ。私の精霊としての能力は【魔力制御】荒々しいセルファシアの魔力を完璧に調整することが出来るのです」


「なんだと! そんな話聞いたことが」


「ふふふ、どうやら師匠の事をあなたは断片的に見ていただけのようですね」


「くっ!」


「ゼーネシアがセルファシアの魔力付与の精度を8割とあなたは評していたようですが、それも間違いです。この私の力抜きでその精度、つまりは……」


 なんだゼーネシアさん達とホルテラ様が突如消えた。


「既に100%のセルファシアの精度を使いこなせていたと言う事!」


「ぐあああああああああ!」


 高速で移動するゼーネシアさんの斬撃が悪性ホルテラを切り裂く。セルファシアさんの背後にはホルテラ様が付いている。剣と精霊を使いこなすその姿はまさに勇者セルファシアの再来と言えるものだったのかもしれない。


「い、痛ええええ……この強さ、まるで本当に勇者セルファシアが目の前にいるみたいじゃないか」


「これでおしまいですよ悪性ホルテラ、あなたの暴走もここまでです」

 

 ゼーネシアさんとホルテラ様の声が重なる。この2人この短時間で完全にコンビネーションをものにしてるようだ。


「ふふふ、勇者セルファシア再来か……いいねえ、面白くなってきたぞ」


「……っ!」


 なんだいきなり悪性ホルテラのスピードが上がったような。


「言っただろ、私の力は魔王の魔力が加わり勇者セルファシアを超えたって。精度100%で力を使いこなせても、セルファシアより強い俺に勝てるわけがねえんだよ」


「ドガガガガアアアアン!」


「ゼーネシアさん!」


 悪性ホルテラの打撃で吹っ飛ばされたゼーネシアさん、勇者セルファシアの力を完璧に使いこなしたセルファシアさんでも今の悪性ホルテラには勝てないのか。


「ハハハハハ! 見たか私の力を。もはやこの私こそが魔王なんだよ……なっ」


 悪性ホルテラの打撃で重傷を負ったかに見えたゼーネシアさん、しかし全くダメージを負っている様子がなかった。


「驚きましたね。本当に師匠の実力を超えてそうですよ、ホルテラさん」


「うむ、念を入れておいてよかったな、一回だけ攻撃を無効化できる防御結界」


「まあもう使っちゃいましたけどね。それじゃあ、あれを出しますかね」


 ゼーネシアさんとホルテラさんは2人で何を話しているんだろう。戦い中なのに随分と余裕そうだな。


「き、貴様ら、相談なんかしてるんじゃねえぞ。今私と戦っているんだよ」


 まずい、話し合い中の2人に悪性ホルテラが突っ込んでいったぞ。


「ゼーネシアさん! 奴が来ますよ」


「分かってますよ。ごめんなさいもう1人のホルテラさん、ちょっと反則的な手になってしまいますが、これも戦いなので手段は選んでられませんの。【創生剣・レイボルト】」


「シュバッ」


「あれ、私の身体が……こんなことが」


 なんと、あれだけ優勢を予感させていた悪性ホルテラの身体がいきなり引き裂かれた。突然すぎる出来事に言葉が出てこない。


「そ…れは……」


「《レイボルト》対ホルテラ戦において最強の剣です。ホルテラ様のご教授で直ぐに手に入りましたね。私の《創生剣》の能力はイメージを実物の剣に変えるもの、ホルテラ様が自分を滅ぼすイメージを私に与えてくださった、いわば対ホルテラに特化した武器と言えますね」


「そ、そんなんありかよ」


「まあホルテラ様がいたことでできたことですし、実力ではあなたが勝っていました。一夜限りでしたが、魔王と呼べる実力でしたよ」


「へへ、それはありがたいな」


 悪性ホルテラの身体が徐々に透明になっていく。精霊が消える瞬間っていうのはこんな感じなのだろうか。


「やっぱり、私じゃダメだったよ……」


 悪性ホルテラの身体は完全に消え去っていくのだった。


「面白かった、続きが読みたい!」


などなど思った方がいましたら下の☆☆☆☆☆から作品への応援をお願いします。


ブックマークも頂けたら幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ