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5.覚醒


「グラスさん?」


 僕は即座にエルゴルの魔力付与された剣を分析して跳ね飛ばした。発生する魔力には全て魔法陣が微小でも発生する。つまりどんな些細な魔力でも魔法陣として僕は分析して頭の中で数値化できるのである。


「ははは、どんな手を使ってここまで移動して俺の剣を弾いたかは知らんが、薬草採取をしていた雑魚如きが粋がるのもいい加減にしろよ!」


「少し黙ってくれないか?」


「バリリリリリリリリリリリ!」


 空気が激しく振動し、解魔石を使用すると魔力がここまで解放されるものなのか。


 僕の周囲に高濃度の魔力が霧散した。


「ひえっ!」


「僕は今虫の居所が悪いんだ。恩人をこんな目にあわされた、ただでさえ王国に酷い目に合わされたのに、僕の新しい居場所にまで危害を加えるなんて許せない!」


「っ知るか、半分は俺に関係ないじゃないか! こうなったら全員束になって掛かれ」


 隠れていた傭兵の集団が一斉に襲い掛かってくる。


「いつの間に囲まれてたのか!」


「今更気づいても遅いんだよ。くたばれ!」


 こいつら素手で来たか……直接干渉はできない、ならば周囲の大気の魔力の微小な魔法陣を分析して頭で数値化、これを少し変えて出力すれば……。


「ドドドドドドッカーン!」


「うわあああああああああ」


 僕が周囲の大気の魔力の魔法陣を分析して出力すると、冒険者狩りの一団の周辺でイメージした爆発が起きて一団は一瞬で全滅した。これが今の僕の力なのか……。


「レピティ大丈夫か!?」


「あ、ありがとうございます」


 うーん少しやりすぎてしまったか。なんだかレピティも怯えているような。


「ごめん怖がらせちゃったかな」


「いえそんなことありません! 最高にかっこよかったですよ」


 その時のレピティの笑顔は本当に太陽の様に眩しく輝いていた。



 不測の事態があったものの無事クエストを達成した僕達は早速ギルドへ帰って成果物を納品をすることにした。


「グラス君とレピティお帰り。冒険者狩りに襲われたんですってね。心配してたんだけど無事でよかった。」


「ええ、何とか窮地を乗り越えたと言った感じですね」


「聞いてくださいよセイラさん! グラスさん凄かったです本当、冒険者狩りを一瞬で……」


 いきなり騒ぎ出すレピティを僕は静止する。


「おいおい、怪我してるのにそんな激しく動いて大丈夫かよレピティ」


「全然大丈夫ですよこれくらい! それより私は今最高の気分なんです。痛みも引いて出血もこの通り止まってますし早くもう一度グラスさんと……あれ?」


「バタっ」


 その時レピティが突然倒れてしまった。


「え? おいレピティしっかりしろおおおおお」


 かなり熱が出て苦しそうだ。これは直ぐにでも適正な処置を施さないと命が危ない。


「至急! 救護班を呼ぶわ」


「救護班を待ってちゃ、間に合わなそうですよ」


 どうするんだこの状況、そうだ薬草をたくさん取ったんだ。


「これをうまい具合に生成しできれば……でもどうやってそんなことやるんだ」


 凄まじく焦る僕、その時感情の高ぶりに呼応して解魔石の魔力が光出した。


「そうだ今の僕には出力があるんだった」


 それから僕は薬草とレピティの傷口の魔力反応の魔法陣を分析して数値化する。


「この魔法陣なら、このイメージで」


 それから僕は薬草に手を当てて出力を開始した。


「グラス君一体何をして……え? 何これ凄い!」


 気づけば目の前の薬草は眩い輝きを放っていたのである。


「グラス君? どうしてこの薬草は突然光出しているの」


「すいませんセイラさん、説明している時間はなさそうなので、これをレピティの傷口に塗ってあげましょう」


「分かったわ」


 僕は分析のし過ぎで少し消耗していたため、セイラさんに任せた。


 セイラさんが光輝く薬草をレピティの傷口に塗ると、熱が少しだけ引いていくのが分かった。


「よしこれで応急処置は……」


「グラス君、救護班来たみたいよ」


「よかった、レピティをお願いします」


 良かったこれでなんとか、後はどうかレピティが無事であることを願うばかりである。


 初クエストで僕によくしてくれた恩人が犠牲になるなんてあってはならない。


「面白かった、続きが読みたい!」


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