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47.災厄~レネ(追放)サイド〜

シュレッタ王国王の間で現国王ハイフレードの元に伝令兵の報告が入った。


「敵襲です! 相手は魔王軍最後の幹部を名乗るロシュレビスという魔物の模様」


「それは本当ですか? 至急軍の編成に取り掛かりましょうハイフレード様」


 遂に最後の魔王軍幹部が姿を現しましたね。敵から来てくれるとは好都合迎え撃ってあげますとも。


「魔王軍? ついに来たか。また僕に任せておいて」


「ハイフレード様1人で行かれるのですか?」


「勿論だよレネお嬢様、今僕は国王になった身分だからね。国の兵士を犠牲にしたくないんだ」


「流石ハイフレード様、大変素晴らしい心掛けです」


 私はあれから完璧なハイフレード様の内政を前に心を奪われていた。一時は疑いの目を持った時期があったがそんなものは間違っていたのだと今では完全に思う。父上の件など今こうしてハイフレード様の側に仕えられることを考えれば取るに足らないとも感じている。


それから私たちは部隊を編成して、シュレッタ王国王城前の前に出ると、そこでは魔王軍の宣戦布告がされていた。


「我は最後の魔王軍幹部ロシュレビス、王国に対して宣戦布告をする。これは最終戦争だ」


現れましたね、最後の魔王軍幹部ロシュレビス……今までにないオーラを感じる。


「ですが不思議と恐怖は感じませんね」


「ハハハハハ、最終戦争だってよあいつ! 一方的な殲滅になるとも知らずに呑気なもんだぜ」


「うるさいぞレジン、だがまあハイフレード様の実力を知らずに粋がっている様子を見ているのは凄く滑稽に見えるな」


 今回私達選抜冒険者の出番はありません。王城の上でゆっくりと戦いが終わるのを待っていればいいのです。故にレジンさんとシステラさんのこの態度は油断などではありません。当然の現象なのですから。


 王国城門前には見たところざっと200体ほど魔王軍がいますね。数もかなり減ってきたようです。そしてその中には魔王軍最後の幹部ロシュレビス、ハイフレード様の頑張り次第で一気に魔王軍壊滅まで持っていける状況、ここで終わらせたいところです。


「城門を開けてください! ハイフレード様が出動します」


「了解しましたレネ様!」


「城門を開けるぞ!」


「ガガガガガガガ」


 遂にハイフレード様の出陣。空いた城門に1人だけ立っていても凄まじいオーラを感じる、やはり王になって風格も一段と増した気がします。


「なっ貴様! たった1人で我らに立ち向かうつもりなのか?」


「勿論だよ、君達如き僕1人で十分さ」


「ふざけるなああああ、この魔王軍最後の幹部ロシュレビスを舐めるんじゃないわ」


「ドドドドガガガアアアアアアン!」


 ロシュレビスの強力な打撃がハイフレード様目掛けて放たれる。


「ハハハハハ、跡形も無く吹き飛ん……なっ!」


「君さあ、魔王軍の最後の幹部っていうくらいだから凄い期待していたのに、全然だめだなあ。結局魔王軍って弱い奴しかいないんだね」


「シュバッ!」


 その時ハイフレード様の目に見えぬ速さの剣がロシュレビスを一閃した。


「バタッ」


 一瞬でロシュレビスは意識を失い、地面に倒れた。


「さて、次は君達が相手になるの?」


「ひ、うわあああああああ、ロシュレビス様が一撃でやられてしまったああああああ。こんなん勝てるわけがない」


 ふっ予想通り一方的な殲滅で終わりそうですね。幹部がやられたことで力の差を理解して逃げ惑う魔王軍の残党の様子を見るのは爽快です。


「ハハハハハハ! あいつらやっと自分達の置かれてる状況に気づいたのかよ。逃げても無駄だけどな」


 レジンさんが魔王軍残党の1人に手を向ける。


「サンダーブレイク!」


「どわああああああ」


「ハハハハハハハ、この一方的に蹂躙する感じたたまらねええええ」


「や、やめてくれえ。 俺達はもう無抵抗だから見逃してくれ」


「え?なんか言ったかな? サンダー!ファイヤー!フリーズ!ブレイク、ブレイク、ブレイクウゥゥゥゥ!」


「ぐああああああああああああ」


「ハハハハハハハハハ、魔王軍の言う事なんかに耳を貸すわけねえだろうがよ」


「やれやれ、馬鹿なレジンの遊び心に火をつけてしまったようだな。おいレネ止めなくていいのか」


「構いませんよシステラさん、ハイフレード様からのお咎めの様子もないようですし」


 城門前にいるハイフレード様は、やられている魔王軍を気にも留めず、倒したロシュレビスの身体をずっと見て何か考え込んでいる。


「ひょっとして君? ワザと僕にやられたの」


「……っ!」


 何だ、ロシュナビスの身体が一瞬だけ動いたような……ハイフレード様はいったい何を話しかけているのでしょうか。


「バチバチ、バチバチ、バチバチ」


 電気?なんで機能停止したロシュナビスの身体に電気が走っているのでしょう。これはもしかして……ッ!


「ハイフレード様あああ、自爆かもしれません、そこから退避を!」


「自爆? そんなこと出来るわけ……ッ!」


「バリバリバリバリ……ドガアアアアアアアアアアアアアアン!」


その時王国城門前には凄まじい爆発と共に閃光と衝撃が走った。







「ってえええ……って痛くないぞ? さっき爆発が起きたような」


「確かに爆発がさっき起きたように思えたが、閃光も凄まじいものだった」


「おかしいですね、何が起きたのでしょう」


 城門前を見るとハイフレード様が変わらぬ様子で立っている。また兵士たちの犠牲者もいないようである。


「ハイフレード様、大丈夫でしたでしょうか」


「うん、少し眩しかったけどどこにも問題はないみたいだ。それにこれは面白いことになりそうだよ」


「面白いこと? いったい何を……っ!」


 ハイフレード様の正面を見ると赤髪長髪の正装を来た女性が立っていた。


「あれはいったい」


「クフフ……ハイフレード様ねえ。随分としばらく見ない間に面白い事になってるじゃん」


「君のオーラ、さっきまでのロシュレビスとは格が違うことが伺える。凄いねこんな気持ちは初めてだよ。名前を聞いていいかな?」


「うーん名前かホルテラ、正確には悪性のホルテラって呼ばれてるかな。しっかし現在のトップ魔王軍幹部も尋ねてみたがこの程度だったか。底が知れたな」


「ホルテラかあ……ってどこかで聞いたことがあるような、まさか……っ!」


「キュイイイイイン!」


 突如現れた赤髪長髪の女性は、一瞬でハイフレード様に接近すると身体に触れてその瞬間光が放たれた。


「な、これはどういう……ハイフレード様あああああ!」


 


 気づけばハイフレード様の姿はそこから消えていた。


「面白かった、続きが読みたい!」


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