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44.精霊対決


「グラスさん、勝手に出てしまって申し訳ありません。この者がグラスさんと勝手に精霊契約を行おうとして私を追い出そうとしたばかりについ……」


 そうだ、確かホルテラ様は僕を気に入ったとか言い出していきなり突っ込んできたんだ。どういうことかと思ったけど、精霊契約をしようとしてきたのか。


「なんでミルティを追い出そうとしたんですか?」


「それはまあ、本人に聞くのが一番早いんじゃないか?」


 ホルテラ様にそう言われミルティの方を向く僕、ミルティの表情はどこか恥ずかしそうで頬を赤らめていた。


「実は精霊契約は1人につき、1体迄という制約があるのです。現在グラスさんの精霊契約は私と繋がっているのですが、この者は私達のつながりを無理やり絶とうとしてきたので、私もその……グラスさんを取られたくなかったんです」


「な……なんだよ、そう言う事だったのか! ありがとうミルティ」


「は、はい! 勝手な行動をお褒め頂き感謝です」


 成程な精霊契約は1体迄って誓約があったのか。しかしまさかミルティが僕の事をそんなに思っていてくれたとはすごく嬉しい。しかしそれにしても……。


「ホルテラ様……正直今自分は少し怒ってます。勝手に僕とミルティとの契約を絶とうとしたんですね」


「ふふふ、そうだが? 何か文句あるのか?」


 ミルティは大切な仲間だ。魔王軍幹部ヘイズを倒した時も彼女の力に僕は助けられた。そんなミルティを奪おうとするなんて……。


「文句ですか……。そうですね、しいて言ってしまうなら……女神ホルテラ様? だがなんだか知らないけど、勝手なことしやがって。ちょっと痛い目に遭わせてやるぞ!」


 手の解魔石を最大出力で解放した僕、ホルテラの精神世界の空間が歪むほど魔力が周囲に放出される。


「ふふふ……ハハハハハハ! これは凄いなグラス、私は嬉しいよ。本気になったお前と戦えるなんてな! 私も全力だ」


 僕の魔力に呼応するようにホルテラ様の魔力も桁違いに増大していった。


「ミルティ、力を借りるぞ! あの性悪な女神に目にもの見せてやる」


「勿論ですグラスさん。最大出力で行きますよ!」


「分析……、ホルテラ様の魔法陣数値化……行くよミルティ、このイメージで出力!」


 僕はホルテラ様の魔力を分析して、ミルティへ与えるエネルギーへと出力した。


 さらに僕の魔力を受け取ったミルティは両手にエネルギー集中させた。


「行きますよグラスさん! 【精霊術・ジャッジメント】」


「ギュオオオオオン!」


 凄まじいエネルギーの塊がホルテラ様目掛けて放たれることになる。


「ハハハハハ、最高だぜこの魔力。私が本気で打ち返してやる」


 なんだ、ホルテラ様から今まで感じたこともない魔力の高まりを感じる。


「見せてやるよ神級魔法の頂点に君臨するであろうこの魔術、【超神級魔法・アルテラ】」


「ドドドドドカアアアアアアアアアア!」


 ホルテラ様の必殺の魔法と僕たちの精霊術がぶつかり合う。


「ハハハハハ、この技でお前達の魔法を打ち砕いて……あれなんか全く手ごたえを感じない、というか私の魔法は何処に行ったんだ。ちょっ! まって、まって」


 ホルテラ様の魔法は僕たちの精霊術と接触して間もなく跡形も無く消え去った。


「うわあああああああああああああ」


 ホルテラ様の精神世界でホルテラ様自身の叫び声が響き渡る時、辺りの空間がねじ曲がり壊れかけようとしていた。



「まずい、カアッとなってやり過ぎてしまったかも」


「すいませんグラスさん私も加減を間違えてしまいました」


「いやミルティは悪くないって」


「今回も凄く刺激的な体験ができました。また何かあったら会いましょうね」


「分かったよ! またミルティと会うのを楽しみにしてる」


 ミルティは僕に微笑みかけると、姿を消した。



「まずい足場が次々となくなっていく、ゼーネシアさんは……あれいない」


「ギシギシ」


 その時僕の最後の足場にひびが入る。


「ドガアアアアアアアン!」


「うわあああああああああ」


 崩れ去る最後の足場、その下には何もなく、僕の身体は底知れぬ闇の底へと落ちていくのであった。


「面白かった、続きが読みたい!」


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