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3.新人アドバイザー

  怪我も治り早速僕のギルド冒険者としての活動が始まる。


  《オルトレール》のルールはセイラさんが教えてくれた。

 

  掲示板の依頼を受けて報酬を貰う普通のギルドのようだ。


「成程、見たところ基本的にモンスター討伐系が多いかな」


「ちょんちょん」


 なんだ、掲示板を見ていた僕を背後から誰かが突っついてきた。


「うん? 君は確か」


「こんにちは、新しく入ったグラスさんですよね。先程はどうも、私は新入り専属アドバイザーのレピティです。宜しくお願いします」


「ええと…よろよろしく」


 レピティは新人アドバイザーだったのか。妙に怪我してる僕によくしてくれたわけだ。


「私なんですが、セイラさんの頼みでグラスさんの専属サポートを行うことになりました。ギルドに入りたての人は実力が未知数ですから最初のダンジョンは私が同行することになります」


「あ、そうなのか、ありがとう。こっちも同行者が増えるのは願ったりかなったりだ」


「それでですが、先ずグラスさんが受けるクエストですが、初回という事で難易度Fの薬草採取とかおすすめですがどうですか」


「かなり地味だなあ、でも報酬は悪くないしそれでお願い」


  いきなり討伐戦はハードルが高い気がするし先ずは手慣らしということで。戦闘に関しては選抜冒険者時代によくレネ達に任せてたっけな……僕はほとんど役に立たなかった。


「はい、稀にランクEクラスの魔物が出現しますが私が倒しますので安心して取り組んでください」


「了解した。それではこの依頼を受け付けに出して最初のダンジョン開始と行きますか」


 クエスト受注と言えば、向かうのはやっぱり受付だろう。そして予想通りセイラさんが受付にいた。


「セイラさんこの依頼をお願いします。」


「ふーん先ずは薬草採取の依頼から受けるわけね、了解したよ、いってらっしゃーい!」



【ババババンッ!(クエスト難易度F)薬草×100を採取せよ!】 


 ええとここでいいかな。


「グラスさんこっちです。」


「分かった今行く!」


「そんな重い装備で動けるのか?」


 レピティは小柄なのにかなりの重装備をしている。


「問題ありませんよ、ほらこの通り!」


驚くべきことにレピティの動きは凄まじく俊敏で、重装甲を着ているとは思えぬものだった。


「へえーすごいな、どういう原理だ」


「そうですね、この装甲は特殊な鉱石でできていて、身軽なうえに頑丈さも兼ね備えているのです」


「成程なあ、そんな機能があるのか」


 魔法陣の分析以外に関してはさっぱりだ。いわば魔術の知識全振りのためこういった常識の欠如が多々起きる。


「さて早速今回のミッション。薬草採取を始めましょうか。」


「分かった」




  レピティが言うには薬草が取れる森林地帯には、レベルEクラスの魔物が出現するらしい。


  普通の冒険者からしたら雑魚敵に過ぎないが、初心者には少し危険なクエストと言える。


  また万が一の場合に備えてレピティのような馴れた冒険者の同行は必須とされているわけだ。


「おおあったこれで50個目だ」


  薬草採取は驚くべき程順調に進んでいった。懸念していた魔物も出現してこないしどこか気味の悪さすら感じる。


「よし! これでノルマの薬草100個取れたぞ。そろそろ帰還しますかね。」


「おめでとうございます。それではこれから拠点に戻ろうと……」


 レピティの表情が突然変わった、まるで何か異変を察知したかのように。


「ここから離れて!」


  突然突き放された僕は何が起きたのかわからず頭が真っ白になった。


  恐る恐る頭を上げるとそこには肩に槍が掠って手を抑えているレピティがいた。


「くっ、魔物がいないのはあなた方が追い払っていたからでしたか」


「ご名答、近頃はとある案件で管轄外の部分も捜索していてな。今回は偶然冒険者がいたからついでに潰そうと思ったわけさ」


 槍をレピティに投げつけたのは、背丈がそこそこ高くやせ型の男だった。かなり目つきも悪い。


「お前は何者だ!」


「ふん! いいだろう教えてやる。俺はシュレッタ王国、雇われ冒険者狩りのエルゴル、王国の脅威となりうる冒険者を度々狩っているのさ。それじゃさようなら」


  エルゴルは懐の刀を取り出すと、残虐な斬撃でレピティの首を捉えようとしていた。


  このままだと不味い、レピティやられてしまう。


「レピティ逃げろおおおお!」


「こういう時に力は使うんですよ」


「……?」


 その時周囲の時間が静止して、突然女性の声が聞こえた。聞き覚えのある声だ、最初に聞いたのは確か、僕が王国を追放されてレネ達に命を狙わそうになったあの時。


「面白かった、続きが読みたい!」


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