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49.完結話 闇 〜ifルート追放サイド完結話〜

 煮えたぎる復讐は止められない




 僕の本質を覚えているかい?


 都合のいいハッピーエンドも何もかも気に入らない


 全ては僕の計画通りだ




 全部全部全部この日の時のためにだけ。


  

























「思い出してください、確かに私たちは今ではたくさんの協力関係の下、いろんな困難に立ち向かってきました。とはいえ、もともと私は……そのあなたを一回追放しましたよね」


「ああそんなこともあったな。なんで今になってそんなことを聞くんだ?」


「私は本当にあなたに申し訳ないことをしたと思っています」


「おいおい、どうしたレネ、急にらしくもない」


「私これがずっと言いたかったんです。正直グラス、私はあなたに惚れました。私にとって何度も窮地の時に現れるあなたはまるでヒーローのようでした。でも自分の中の罪悪感がぬぐえなくて、私が一歩を踏み出すことを拒むのです」


「……」


「あ、すいません! 私は何を突然言い出したのでしょう。こんな一方的に自分の都合をおしつけてしまうなんて本当に申し訳ないことを私はして」


「いいよ」


「え?」


「もう忘れていい」


「え、え?」


「僕はもうレネ、お前に追放されたことを気にしてない。それにお前のことを別に嫌いじゃない」


「それはつまりわたしはもう 許されたのですか」


「うん」


「くすっ、ぐすん」


「おいおい、どうしたんだよいきなり」


「すいません……突然なんだか涙が出てしまって」


「大丈夫か?」


「え、ええ、なんだかつきものが落ちた気がします」


「そんなに気にしていたのか」


「そうみたいです。知らない間にあなたにひかれていて、でも私が行ったことが枷となり、不本意な態度をとる日々、それはとてもつらいことでした」


「そうか」


「今ならはっきり言葉にすることができます」













「あなたのことが大好き!」















 カロンシュタールの件を終えた夜、つきものが落ちたような目の前にいる王女様の笑顔を見た僕は、作戦は全てが完遂されたのだと気づいたのだった。


「……」


「グラス?」


「バっ」


「?」


 僕はレネを壁際に引き寄せて自分の片手をその壁に強打した。


「え?」


「今なんて言った?」


「なんてって……どうしたのグラス様子が変よ」


「ははははっははははははははっははははははははは」


「ひっ!」


 突如発生した思い人の狂人じみた笑いにレネの表情を戦慄する。


「おらああああ!」


「うっぐはっ」


 僕は次の瞬間レネの腹部を強打した。


「バタッ」


 そしてレネの身体はその場から倒れるのであった。


「なっ……何を」


「爽快、爽快、あああ愉快だなあああ!」


「ぐはっ!」


 続けざまに僕は倒れたレネを思いっきり蹴っ飛ばしてやった。


「あはははははははははっははははは」


「……」


 この時を待ってた。自分でも何をやっているかわからない状況があるほど復讐の感情に飲まれている気がする僕、ただわかるのは床に倒れている王女様の目には光が消え、すべてが絶望に飲まれているということだけだった。


 ただ僕はこの表情を見るためだけに今まで感情を抑制する努力をしてきたのだなと本能的に感じたのだった。希望を見せて奈落に落とす、自らへの好意を吐かせた瞬間に絶望をへと叩き落すこの落差を味合わせることで僕の復讐は完遂されるのだ。







「まさか……まだあなたは私のことを恨んで……」


「当たり前だろ? 一度行った罪がそう簡単に消えるとでも思ったか」


「そんな……」


 倒れているレネのうつろで光が消えた目に涙がしみわたっていくのを僕は確認した。


「いいね、だけどまだだ、来いよお前ら」


「あ、あなた達は……」


「なあ、知ってるよなこの二人」


「システラとレジンさん?」


「連れてけ」


「かしこまりました」


 僕がよんで現れたのは黒いローブを羽織ったシステラとレジン、裏組織執行部隊のリーダー2人である。


「やめて、やめて、お二人とも様子がおかしいですよ。いやあああああああああ!」


 黒いローブを羽織ったシステラとレジンによってレネは連れ去られたのであった。













「ふう、これはなかなかに厳しい感じだな」


「はあ、グラス、あなた約束はしっかり守っていただきますよ」


「おいおい、なんかしゃべり方がもとに戻ってないか、あの時の笑顔は何だったんだ」


「うるさい! 普段からあんな態度をしていては周囲の人々に示しがつきません」


「まあ、それもそうだね」


「あなたとの冒険者生活、楽しみにしていたんですからね」


「分かってるよ」



「ご主人様お待ちしていましたよ!」


「おいグラス、約束の時間が来たぞ」


「へ?」


「よお、みんな約束通り集まったてくれたな」


「ちょっ、ちょっと待って」


「おいレネ、お前しっかりと役に立ってもらうからな」


「いやちょっと、なんでこんなにいっぱい同行者がいるのよ!」


「え? 最初からみんなで行く話じゃなかったか」


「私と二人っきりで行くのかと思ってたんですけど」


「すまんすまん、またあとでな、じゃあ皆行くよ」


「グラスさんレネ様はかなりお怒りのようですよ、私が鎮静の干渉を施して差し上げます」


「誰よ、あなた!」


「私はグラスさんの契約精霊、原初の精霊シテリィセリアといいます」


「あなたが原初の精霊? 成程、グラスは原初の精霊も手名付けたのですか」


「手名付けるって、ひどい言い方だな」


「ちょっと待ってください」



「グラスさんの契約精霊はこの私ですよ。いつからあなたが契約精霊になったんですかシテリィセリア」


「あらそうでしたか」


「エルカさん、今日はクエストの活躍では私が勝ちますからね」


「何を言っているんだレピティ、私を甘く見るなよ」


「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ」


「グラス君、依頼はこれでいいの?」


「あ、セイラさんそれでお願いします」


「ふふふ、随分とお仲間が増えたわね」


「まあ、そうですね」


「……ああああああ!」


「っ!」


「私帰ります!」


「え? ちょっと待てってレネ」


「こんなつもりじゃありませんでした。やっぱり私たちは以前のような関係があっています」


「ちょっ、まっ」


「キルティオ来なさい!」


「は! お嬢様」


「おい、キルティオ、お前いつの間に現れたのか」


「ということだグラス、お嬢様は以前のような関係をご所望のようだ」


「おいおいおい、せっかくクエストも人数分確保したんだぞ」


「知りません!」


「がははははははは、グラス、レネと何があったか知らんが振られたようだな」


「うるせえぞエルカ!」


「くふふ」


「ちょっ、レピティまで笑うなよ」


「がやがやがや」


「はあ、相変わらず騒がしい奴らだな」


「エイマさん!」


「おい、グラス、久しぶりにギルドに帰ってきたのに、何も挨拶はないのか」


「確かに、私もそれずっと気になってたかも」


「いやいやいろいろと立て込んでいたんですよ」


「そうだろうな、それで何か言うことはあるだろ」


「分かりましたよ。 ただいま」


「おかえり」




 

 はあよかった、あれがグラスさんを最初に能力覚醒へと至らしめた。レネ様、ベクトルが違えば恐ろしいことが起きていたかもしれません。


 しかしみたところお二人の関係は非常に良好です。


 グラスさんは演算能力に飲み込まれることはありませんでした。別に飲み込まれたところで私たちの生活にどうこう影響するわけではありませんが、つらいのです。


 私は原初の精霊シテリィセリア、干渉の力は対象の感情を必要以上にくみ取る。私が常にそばにいるグラスさんが……復讐にとらわれた姿なんてみたくない。


 賭けは私の勝ちですよシェヘレラフォード様。
















 くふふ、あははははは面白い話だ。これこそ復讐というやつか。


 強すぎる魔王側の演算能力に取り込まれたか。


 シテリィセリアの光部分のほかにもロイデミレタの闇の意思を継いでいたわけだな。


 これも一興だ


 まさにあやつは光と闇の両面を司るということだ。なぜあやつの力が伸びたのか、シテリィセリアの光である干渉の共感力と釣り合いが取れるつまりは匹敵するほどの負の感情、だからこそ無次元化を成し得たわけだ。


 摩訶不思議な特異点をこの目で見れてよかった、精霊会にあいつを誘えてよかったな。


 精霊都市はある意味でこう言った逸材探しの意味合いもあるからな。私にとって都市も最高の箱庭よ。


 セレネティリアにも褒美をとらせないとな。


 水晶からのエネルギー供給増加あたりがいいか、あいつ含めた精霊都市の連中は精霊会で揺れ動いた感情を集約した私が持つ水晶のエネルギーなしでは動けないからな。



 この水晶? ああ、これはシテリィセリアからくすねたものだ。あやつが周期で生まれた現場に私もいたのだが、これは盗んだ。しかし




 シテリィセリアの光の干渉、または共感力をも欺くその閉心術は見事としかいえぬな。すっかり勘違いして勝ち誇っているような表情をしているあやつもなかなかに面白きものよ。





 闇でも光でもない人知を超えた大精霊は1人享楽を楽しむのだった。










「お戻りいただきありがとうございます。グラス様」


「ああ、よく来たなレネ」


 ギルドへただいまを言ってから最初のクエストをこなした僕は、深夜にレピティ達の元を離れて、薄暗い洞窟へと向かっていた。この状態の時僕はシテリィセリアとミルティへは幻術魔法を使い日常のビジョンを見せている。


「痛っ」


 そして現れたレネの髪を強く引っ張る。


「お前、演技へた過ぎ、また粛清されたい?」


「も、申し訳ありません、次は必ずやグラス様のお役に立てるよう頑張ります」


「ふう、まあ行っていいぞ、くれぐれもここで会ったことは内密にな」


「かしこまりました」


「ふう、すっかりレネの奴は僕の従順なしもべへとなり下がったな。すべて計画通り、復讐は全て完遂されたってわけだ。このリストももう必要ないかな」


 僕は手帳をゴミ箱へ捨てた。







                  術析師のリスト手帳


 シュレッタ ヘルテラ吸収後消滅、ハイフレードの作戦は予想通りそれを知ったうえで吸収されたへルテラごと精霊術で自ら手を下した


 宰相  最終話後レネにクビを指示して始末


 殴って追放した兵士 裏で始末


 ハイフレード    自ら手を下すよう心理戦で誘導 少し強くて焦った 


 フォラリフェ    レジンの布石で勇者パーティー誘導 実は裏で洗脳してシセレッサへぶつける


 シセレッサ     洗脳したフォラリフェをぶつける


 勇者セルファシア  封印術を使うようわざと手を抜いたぶっちゃけ余力あった 


 ロイデミレタ    わざと空間に飛ばされて弱体化させ、最後は自ら始末


 レジン       弟フォラリフェがなくなったことで実はショックで精神的に荒廃していた。             そこを狙って洗脳。後術析師闇部隊に洗脳配属


 システラ      レーラ家の金策を裏で破綻させて精神的に追い詰めて洗脳


 レネ        自ら自分に好意を言わせる 最後は精神壊して洗脳














「グラス様」


「おっカロンシュタールか、よくやってくれたな。お前はもう部隊に戻っていいぞ」


「はっ、ありがたいお言葉でございます。このカロンシュタール、またの機会をお待ちしています」


 あらわれたカロンシュタールはそういうと闇の中へ消えていくのだった。


 術析師闇部隊ねえ……また僕にひどいことをする奴があらわれたときまでは、しばらく解体かなあ……ああ、なーんか復讐を終えてすっきりしてしまった。足りないなあ、これからも僕にひどいことしてくる奴がいたら、何倍にも返してじっくりと復讐して絶望の底に落としてやるんだ。なんか知らないけどそんな気持ちがずっと続いているんだ。


「あははっはははははははっははははははっはははは」











 真っ暗な闇の中一人笑う男は目に紫色の闇のような輝きを放ち一人狂気の笑いを浮かべるのだった。



「さて明日もレピティ達とスローライフな依頼を受けていくかな」


完結しました。ありがとうございました。

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