34.合流
「魔力解析!」
長時間解析したロイデミレタの魔力空間、すでに解析は完了したため意のままに操れるのである。この時気づいたのだがいつもとは比較にならないくらい能力発動がスムーズになった気がする。これは実戦ですごいことになりそうである。
「一瞬で出口ができちゃいました。流石です」
空間は崩れ去り外の世界への通路ができたのである。
「じゃあ出ていこうか」
「ふん遅かったな」
「シェヘレラフォード様!?」
僕たちが外の世界に出ていくと、普段過ごしている部屋で手首を錠で封じられていたシェヘレラフォード様がいたのであった。つまり追放された場所と同じ場所に戻ってきたのである。
「大丈夫ですかシェエヘレラフォード様、お体に傷は」
「安心しろシテリィセリア、動きを封じただけでロイデミレタの奴は特に私に何もしてこなかった。おそらくあいつの狙いは私に組織崩壊の様子を見せて悦に浸りたかったことだからな」
「それならよかったです」
「状況はどうなったんですか」
「うん? 状況か? お前たちのおかげで見事にすべては解決されたぞ。ロイデミレタは我が組織の幹部たちが殲滅してくれたわ」
「本当ですか!」
「そうよ、無事我が組織は元通りというわけだ、お前たちが内部からロイデミレタのギミックを解除して弱体化してくれたおかげだとも」
「それならよかった」
僕はいまいち実感がわいていなかった、内部からのギミック解除が意味ある行為であることだと認識できて安堵の気持ちになった。
「それよりお前たち、この錠を外してくれないか。そろそろ同じ体勢をずっと続けるのも疲れてきた」
「了解です!」
「待って!」
「!?」
僕はシェヘレラフォードさんの錠を外そうとするシテリィセリアを静止する。
「何のつもりだグラス」
「これもいい機会です。ただで錠を解除するわけにはいきませんよシェヘレラフォード様」
「ほう、貴様この大精霊に交換条件を提示するつもりか」
「はわわわ、なんだか荒れてきましたね」
シェヘレラフォードさまと僕と間にぴりついた空気が張り巡らされレピティとミルティは慌てだすのであった
「ここは箱庭ではありません。自分の思い通りに人は動かないことを認識するべきです」
「そうだなお前は確か私との戦いに勝った。ある意味では今回のロイデミレタの追放までも勝負うちであったが、見事にロイデミレタの策略も打ち破ったわけだ」
この大精霊はそこまでも計画の内だったかのようなしゃべり方である。すべては手のひらの上だった感が凄い。
「分かった、今回の件は私の方から謝罪する。もうこのように自分の組織を箱庭のように扱わないことを誓うとしよう」
あっさり自らの負けを認めて、謝罪をするシェヘレラフォードに僕は調子を崩されるのだった。
「そ、そんなにあっさり謝られても調子が狂うんですが」
「これで足りぬというのか。これだけ誠意を示しているのに、ならグラス、お前は私に何を求めるのだ」
「え?」
今なら僕の言ったことを何でもしてくれそうなシェヘレラフォード様の視線を受けてもう今回のことは僕はどうでもよくなってしまうのだった。
「あああ、わかりました。もういいですよ約束ですからね。このようなことはもうやめてください」
「ああ分かっている」
「じゃあ錠を開場していいぞシテリィセリア」
「はい」
「ガチャ」
こうしてシェヘレラフォード様は長い間の拘束から解放されたのであった。
「それじゃあ現場に赴くとするか」
「現場とは?」
「決まっているだろうが、ロイデミレタと幹部たちの戦局を見に行くんだよ」
「え? 感知で把握しているんじゃないんですか?」
「いや? 私に感知能力はないが?」
「はあああああ!?」
凄まじいはったりをかましてきたシェヘレラフォード様に僕は凄まじくツッコミを入れたくなるのであった。
「随分とてこずったようだな」
「シェヘレラフォード様、何とかロイデミレタの奴を玉砕することに成功しました」
「よくやったぞお前たち」
「はあ、よかった皆さん無事勝利したんですね」
戦局が分からないとはったりをかましてきたシェヘレラフォード様のせいでかなり焦ったが、実際に現場へ行くとそこではすでに戦闘は終わっていて、スワラリフォードさんたちが回復作業に入っていた。
「なんとかな、お前達は何をやっていたんだグラス」
「え? 僕ですか、それは……」
「ぎゃはははははは、グラスは多分ロイデミレタの奴にビビッてそこらへんで縮こまってたんだろう俺にはわかる」
「な、何を!」
話にコルネへタが割り込んできて悪態をついてくる。
「グラスさんあんなこと言ってますけど懲らしめていいですか?」
「いや、そこまでしなくていいって」
「……」
ミルティを止めてる僕の側でレピティも不満そうな表情をしている。そんな中シテリィセリアが動き出した。
「干渉」
「いってえええええええ!」
「黙りなさい三下が、私とグラスさんが裏で何をしていたのか、説明した後に後悔するんですね」
「ひ、ひえええええ! あなたはシテリィセリア様!」
コルネへタはビビッて黙りだす。
「すぐ人を煽るから痛い目を見るのだ。しかしやはり裏で何かあったのですな」
「うるせーよへテレミレア」
「確かにロイデミレタは明らかに戦闘中に力を発揮できていなかったからな。お前が何かしてくれたんだろうグラス」
スワラリフォードさんとへテレミレアさんは僕が何かをやってロイデミレタに干渉していたことに気づいているみたいだった。
「やれやれ騒がしい連中だな。私が今からすべて説明してやるから、しっかりと聞くんだぞ」
「かしこまりましたシェヘレラフォード様」
こうして一連の説明をシェヘレラフォード様が行うことになったのであった。僕とシテリィセリアが裏でギミックを解きロイデミレタを弱体化させていたことを。
「成程グラスとシテリィセリア様が裏でそんなことを」
「やけにロイデミレタの奴の歯ごたえがなかったわけだな」
「それでも私たちは満身創痍のギリギリでしたけどね」
「……」
へテレミレアの一言に一同は黙る。
「まあ、いくら弱体化したとはいえあのロイデミレタを倒したのは称賛に値するぞ。私はお前たちの力を信じていた。よくやってくれた」
「ありがたいお言葉です」
シェヘレラフォード様の言葉により幹部たちの沈んだ雰囲気は一変したのであった。




