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29.解放~中盤追放サイド~

「これはすごい」


 まがまがしく黒く光る結晶が進んだ先にはあった。


「間違いなくこれが二つ目のコアですね」


「そうか、そしたらさっそく分析させてもらうよ」


 能力を使おうとした時僕の分析ははじかれた。


「またかよ」


「やはりそう簡単にはいきませんね、力をお貸ししますよ」


 干渉の魔力、勇者との戦いで知ったのだが、シテリィセリアは干渉の能力で対象に影響を及ぼす、今の僕は分析の能力がシテリィセリアに触れられていたことで向上していることに気づくのだった。


「これならいけそう!」


 その時あたりに光が宿るのだった。




「やりましたね。無事二つ目のコアが消えました。おそらくロイデミレタは今頃自分の力の低下に驚いていることでしょう」


「本当かな……」


 二つ目のギミックを解除したけど相変わらず僕たちからは何か変化が起きているのかを把握することができずにしっくりこなかったのであった。


「そういえば、魔力解析の方はどうなりましたか」


「そうだよ! 魔力解析、意識がギミックへ行っていたから気づかなかったけどふと気を向けたらかなり進んでいたよ! あと少しでレピティとミルティを目覚めさせられるかもしれない」


「それはよかったです!」


 僕たちの空間探索は驚くべき程順調に進んでいくのだった。






「第二形態といったところか」


 スワラリフォードたちは魔力の質が変わったロイデミレタを見て、彼のことをそう評する。


「第二形態だと? そんなたいそうなものじゃないし、俺の本来の力を少しずつ開放しているだけだ!」


 その時一瞬でロイデミレタはスワラリフォードたちの背後を取った。


「何!」


「遅い!」


 最初にロイデミレタの攻撃が直撃したのが第四位へテレミレアである。へテレミレアはその衝撃で吹っ飛んだ。


「まず一人」


「貴様! ぐはっ」


 すかさず反撃に出る第五位コルネへタであるが、反応する間もなく再び吹っ飛ばされた。


「中々やるようだな……」


 その光景を見て第三位スワラリフォードも少し焦りを見せる。


「他人事じゃないぞ」


「何! ぐはっ」


 そしてスワラリフォードもロイデミレタの攻撃に反応できず吹っ飛ばされるのだった。


「ふう、これでやっと片付いたか、さて幹部を倒したことをメンバーに伝えてくるかな」



 気が付けば幹部三人は力を発揮したロイデミレタによって一瞬でやられてしまったのである。


 というように見えた。



「いっててて!」


「何!」


「何だ全然ダメージを感じないが」


「勢いだけだったね」


「お前らなんで俺の攻撃を受けて平然としてられるんだ」


「いや、そんなこと言われてもね」


 スワラリフォードたちはロイデミレタに吹っ飛ばされたものの無傷で立ち上がったのであった。


「正直全然痛くなかったぞ」


「はっ?」


 ロイデミレタは理解不能な目の前の現実に途方に暮れるのだった。






「意味が分からない攻撃は確かに当たったはずなのに、幹部をはるか凌ぐ力をもっていたはずなのに」


「今度はこちらが行くぞ」


 スワラリフォードは衝撃波を剣をロイデミレタにはなった。


「ぐああああああああ!」


「なんだ、こんなあっさりと吹っ飛ぶのか」


 ロイデミレタは防ごうとするも、失敗し遠くへ吹っ飛ばされるのだった。


「やったなスワラリフォード。流石幹部一の攻撃力の持ち主」


「まあな」


「まだだ」


「っ!」


 その時吹っ飛ばされて瓦礫の下敷きになっていたロイデミレタが起き上がる。


「もうどうでもいい本気を出すからな」


 ロイデミレタは魔力を全開に開放するのだった。



















「最後のギミックへ向かいますよ。グラスさん」


「ああ分かったよ」


「そういえば魔力分析はどうなりましたか」


「ちょっとゴールが見えてきたかも! もう少しでレピティたちが目覚めそう」


「そうですか……」


 するとシテリィセリアが腕を突然組んできた。


「ちょっ! 何するんだよ」


「すいません、私たちが二人だけで行動できるのはあと少しの間だけと考えてしまったらつい手が動いてしまいました」


 僕が慌てて手を振りほどくと、うつむいた様子でシテリィセリアはそういうのだった。そんな様子を見て僕は少し罪悪感を感じた。


「ああ、もう分かったよ! 別に好きにすればいい」


「本当ですか!」


 僕が了承するとシテリィセリアは声を高くして腕を組んでくるのだった。



 思えば僕はロイデミレタにこの空間へ追放されてから原初の精霊シテリィセリアと一緒に会話を楽しんでいるだけに感じるのだが気のせいだろうが。


「何がダメなんですかそれの?」


「うっ!」


 こいつ人の心を読めるのか?


「私とグラスさんがこうして二人だけの空間になる、それも運命ということですよ」


 そういうとシテリィセリアはさらに腕を組む力を強めてきた。


「はあ」


 確かにシテリィセリアに絡まれるのは悪いことではないと思うのだが、レピティやミルティが目覚めたときのことを考えると一体どうなってしまうのだろうか……。


「そろそろ見えてきますよ三つ目のギミック、おそらく最後になるでしょう」


「ふうやっとか、魔力解析ももうじき終わるし、やっとこの空間からも出れそうだぜ」


 ロイデミレタの空間最後のギミックの場所には森林地帯が広がっていた。


「何だこれは随分と情景が変化したものだな」


「この大量の木々の中からおそらくコアを探すのでしょうね」


「ちょっと待って、あれは防壁じゃないか」


「ほんとですね。防壁突破にもまた時間がかかりそうですが、ここはやはりグラスさんの解析が訳立ちそうな気がしますね」


「そうだなやってみる」


 僕は防壁を解析しようとした。


「うーん、これはまた時間がかかりそうだ」


「そうですか……」


 それから僕たちは再び防壁が解除できるまで待ち時間ができることになるのだった。




「せっかくだからキャンプしません?」


「は?」



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