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15.魔法学園生活(仮)

 僕達はアルトさんの方針に従いシャキラ襲撃迄の時間をコルバルテ魔法学園の学生として過ごすこととなった。その際にアルトさんが特別に来客専用の学生寮も用意してくれた。


「まさか学園生活が出来るなんてな」


 アルトさんから支給された学園服を着替えながら、まさかの事態に僕は驚きの念を隠せなかった。しかしこれは凄い魔導士として様になってきたのではないだろうか。


「ふっ」


 学園服がかっこよかったので僕は眼鏡をいじりながら魔法を放つポーズをしてみた。思いのほか自分でも何をしているのかが分からない状況である。


「ご主人様! 私たちも着替え終わりましたよ」


「何してんだ、お前わ」


「うわあああああ! いきなり入って来るなよ」


 案の定ともいえる不意打ちをくらってしまった。精神に深い傷を負う羽目になったが、しかしこれは凄い光景だ。


「2人とも凄い似合ってるね!」


 学園服姿になったエルカとレピティはとても可愛らしかった。こんな学園生活の体験をさせてくれたアルトさんの好感度がうなぎ上りになった。


「やめてくださいよご主人様……恥ずかしいじゃありませんか」


「わ、私はそんなことを言われても嬉しくないぞ!」


 この2人の対照的な反応は中々面白いものであった。


「じゃあ早速行きますか」




 アルトさんが教えてくれたのだが、コルバルテ学園はカリキュラムを自分で決めることが出来るそうだ。だから決まった時間に開かれている授業に参加すればいいだけで、基本的にクラスという概念はない自由な体系と言えた。


「この占い創作論とか面白そうだな、ここにするか」


 僕の意見はレピティとエルカに満場一致で受け入れられた。




 僕達が選んだ占い創作論の授業は第2限に専用の教室で取り行われることになった。早速教室に他の生徒に交じって入っていく。


「皆さんは占いを信じますか? 私は予知能力に長けているので、この手法を用いるとその人の過去が分かります。皆様の中にも分かる人が居たらそれは予知能力の才能が非常に高いと言う事です。ま、無理でしょうけどね。そこの短髪太っちょ男のあなた」


「はい、なんですか」


「あなたの魔力をイメージするのです、それはこの水晶に反映されます。普通の人にはただのもやに見えますが、私はその様子からあなたの過去を当てて差し上げます」


「分かりました。やってみます」


 何だろう水晶が赤く光出した。これは転倒してる?


「あなたは昨日何もない道で、いきなり転倒をしましたね」


「す、凄い当たってる」


「ワハハハハハハ、おいそれはいくら何でもアホ過ぎるだろ」


「えへへ」


 成程、そう言う事か、僕にも結構予知能力適性があるらしい。


「次です! そこのあなた、イメージするのです」


 今度選ばれたのは黒髪ロングで目が赤い、物静かそうな少女だった。周囲の人ともあまり打ち解けてないようで、さっきとは違って少し盛り上がりに欠ける空気である。


「分かりました」


 何だろう、少女が水晶に手をかけると、水晶は黒く陰りだした。その奥を覗いてみると何か聞こえたような気がする。なんだろう……「助けて、誰か」と苦しみの声を発しているような……。


「あなた、昨日寝坊しましましたね。水晶が影っています。これは意識が半分薄れていると言う事、直ぐに帰宅して睡眠を取りなさい」


「当たってます、お気遣いありがとうございました」


「おおお、流石先生だぜ。パチパチパチパチパチ」


 今回は笑いというよりは、先生に対する称賛の声と拍手が湧いた。まあ2回連続で当てたというのは確かに凄い事であるが、2回目の占いは本当に当たっていたのだろうか。謎の疑念が僕に生まれる。


「そしたら2人の魔力を表した水晶を2か所に置いといたので、それを見て何を感じたかレポートに纏めてくるように。提出した者から今日の授業は終わりですよ」


 そんなわけで僕たちは早速水晶をみてレポートを書き終えたのであった。


「あの先生凄いな、私には何にも分からなかった」


「私にもさっぱりでした」


 どうやらエルカとレピティには予知能力適性はないみたいだな。


「グラスはどうだったんだ」


「うーん僕か、さっぱりだったかな……」


「ほーん、そんなものなのか」


 本当の事を言ったら騒がれて面倒なことになりそうだから一先ずこう言っておこう。しかしエルカはともかくレピティはこっちをじっと見て微笑んでいるあたり、全く信用してないなと分かる。


「うーんそれにしてもなんか、あっちの方が騒がしいな、何かあったのか」




「レネお嬢様、そんなにムキにならなくても」


「っ!全く見えませんね。何も、あの教師適当に出任せを言っているに違いありません」


 こんな服を着るだけでも不愉快なのに、この授業本当に腹が立つ場所ですねレヴィナルト……。


「ちょっとそこのお姉さん達、そろそろどいてよ、後ろにまだたくさん並んでるの見えないの」


「え? なんか言いました」


「い、いえ……なんでも」


「はあ気が付けばこんな時間ですわ、一先ず拠点を変えますキルティオ」


「了解致しました、レネお嬢様」


「スタスタスタ」





「うーん気のせいか……あれ、あの子はさっきの」


 占いをされていた黒髪赤目の子が校舎とは真逆の方向に向かってるのだけど、どこに行くんだろうか。僕は気になって何となく後をつけてみることにした。


「ごめん、レピティとエルカちょっとここで待ってくれないか」


「分かりました」


「分かった」


 2人は頷いてくれた。


「面白かった、続きが読みたい!」


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