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13.精霊会序列第四位

 精霊界第四位へテレミレアとは一体どんな人物なのだろう、第三位スワラリフォード様は生粋の騎士と言った風格であったが、やはりそれくらいの風格があるのに違いない。


 僕は緊張しながらロネルヴィネさんがいるとされる第四支部の大部屋に入っていくのだった。



「ロネルヴィネ、我が支部に部外者を入れるとは、相応の理由があって私の元へ来たのよね」


 派手な装飾品に身を纏い髪を髪飾りで止めていて気品ある容姿、第四位へテレミレアは姫様のような華やかな女性であった。


「へテレミレア様、この方は私の恩人なのです。第三支部副官のダンテカビスに襲われそうになった時私を救ってくださった方です」


「成程のその方が噂のグラス」


「え、僕の事をご存じなんですか」


「こちらの情報網をなめないでいただきたいな。ロネルヴィネを助けて、第三支部に入隊した精霊界の新入りがいると、しかもその新入りはものの数日で第三支部で成果を残し去っていったと聞いている」


「そこまで筒抜けだったとは……」


「まあ、その情報を開示してくれたのは第三位スワラリフォードなんだけどね」


「へ? え?」






「私はスワラリフォードから今回のダンテカビスによる襲撃の件のお詫びとしての手紙と補償を受け取った。こちらも部下に手を出されて黙っていられなかったが、アイツの交渉能力は群を抜いてうまくてな、巧みな話術につられてこの件は手打ちということになったわけだ」


「そうなんですね」


 やはりスワラリフォード様はただものではないようだ。


「お前の事もこちらに来ることを予期していたようで、宜しくとも言っていたぞ。正にあいつの言っていた通りの展開となったわけだな」


「全てお見通しだったんですね」


「これなら話は早いだろう、という事でロネルヴィネ、お前は下がれ」


「え? あ、はい、なんかすごい話がスムーズに……君は私の思っていた以上に凄い人だったようだな、まさかへテレミレア様がここまで関心を持っているとは」


「無駄口は良いぞロネルヴィネ、貴様は今ただの雑兵、人の心配をする前に自分の心配をするんだな」


「わ、分かりました」


 そう言うとロネルヴィネはその場から立ち去っていくのだった。





「さてグラスよ、お前がここに来た理由はスワラリフォードから大体聞いている。お前は私に署名を求めてきたのだろう。大精霊様への助言、ただ事ではないようだな」


「話が早くて大変助かりますよ。実際の所お返事としてはどのようになるのでしょうか」


「そうだな、私から言わせてもらうと別に今すぐここで署名をするのには別に構わないのであるが精霊会は対価を大切にする風潮があってな、物事には相応の成果が求められるのだ」


「対価ですか」


 なんだかスワラリフォード様の時とおんなじ感じの流れになってきたような気がするんだが。


「そうだ、私からお前に求める対価、それは第四支部が今直面している問題へと帰結する」


 第三支部の時は向上心により他の支部への干渉であったが、一体第四支部はどんな問題に直面しているのだろうか。


「実はな第四支部では近年精霊会の規則に乗っ取らない、規約違反をするものが多数出ているんだ。基本的に精霊会では魔法道具の使用は禁止されている。どこから漏れたのかはお前は既に知っているのではないか」


「魔法道具……それって僕が第三支部と結託して潰した第二支部のシャスタべの事じゃないのか」


「そうお前がダンテカビスと結託して潰した第二支部の機密研究が元凶の魔法道具だ」


「それも筒抜けだったんですね」


「ふん、確かに魔法道具の件は解決したが、この道具は強い依存性を秘めているようでうちの隊の使用者は度々禁断症状を起こすようになったんだ。それをグラス、お前達にどうにかしてほしい」


「それは中々の無茶ぶりですね」


「ふん、聞いたところによるとグラス、お前は術析師を自称していて全ての魔法陣を解析できるそうじゃないか。今回の依存症もどうにかできるのではないか」



「いやいや、流石に攻撃以外の解析は滅多にしたことありませんよ」


「でもご主人様、私と最初に出会った時私を治療してくれましたよね。絶対できそうな気がします」


 おいおい、レピティがここに来て割り込んできたんだが。


「分かりました。やったことはあまりありませんが、依存症の解決、署名を条件に僕が引き受けることにしますよ」


「よろしく頼むぞ」


 こうして僕は第四支部の依存症と思わしき患者の元へ赴くのだった。


「面白かった、続きが読みたい!」


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