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11.一つ目の署名


「貴様は第三支部の副長ダンテカビスじゃないか。こんなところまで何の用だ。というか貴様らどうやってここまで入ってきた」


「おどろいたな、お前の格納能力は自信も空間内に入れることができるのか」


「そうだよ、貴様らはここに何しに来たんだ……ってこの場所を突き止めた時点で目的はおおよそ予測できる。私のラボを大精霊様に報告しようって魂胆だろ」


「よくわかってるじゃねえか」


「そんなことさせるわけねえだろうが」


 白衣のシャスタべは空間内に無数の刃物を出現させた。


「格納空間にある者を私は自由に操れるんだよ。この空間内で私は最強なんだ。ここに入ってきたことを後悔しやがれ」


 そして無数の刃物を僕達は飛ばしてくるのだった。


「うっそそんなんありなんですか?」


 ダンテカビスは想定外のシャスタべの戦闘直に焦りを見せる。


「痛っ!」


 更に無数の刃物を捌ききれずに頬に傷を負うのだった。


「くそっ、シャスタべがこんな強いなんて思わなかった。おいグラス、お前は大丈夫なのか」


「え? どうしましたダンテカビスさん」


 僕はシャスタべの無数の刃の軌道が自分からそれるように出力していた。


 ちなみにレピティは僕の後ろに隠れている。


「それはどういう状況なんだよ!」


 思わずダンテカビスはツッコミを入れるのだった。


「き、貴様、何故私の攻撃があたらぬ。ここは私の格納空間なんだぞ」


「いや当たらないもんは当たらないんですよ」


「ぐああああああ!」


 その後僕はシャスタべの身体を反転させて、身柄を拘束するのだった。




「私はグラスの事を侮っていたかもしれんのだ、お前凄すぎる」


 それから僕はダンテカビスに認められた。


「まあ、いつもこんな感じ」







 それからシャスタべは第2支部の副官を大精霊シェヘレラフォード様から降ろされることになった。さらに第2支部の勢いは副官シャスタべによる研究道具に頼り切っていた為、それがなくなり衰えていくのであった。


「そうだグラス、スワラリフォード様が呼んでいたぞ、何か話があるそうだ」


「そうなんですか、そしたら今すぐ向かいます」


 僕はレピティと一緒にスワラリフォード様のいる部屋を訪れた。




「成果はダンテカビスから聞いているぞ、見事に第二支部の工作を暴き勢いを衰えさせることに成功したみたいだな」


「そうですね結構大変でした」


「ふん、果たして本当なのかどうか、だが私はお前を認めようと思う。約束通りそっちの提案を聞いてやろうじゃないか」


「本当にいいんですか」


「ああ」


 僕が第三支部に協力したのはシテリィセリアの情報をシェヘレラフォード様から聞き出すためである。


 勇者セルファシアと契約して、更にはあの魔力をもたらしたシテリィセリア、原初の精霊という噂もある彼女であるが、もう一度あって聞きたいことが山ほどあるのである。


 そしてその情報開示のためにシェヘレラフォード様から僕は幹部5人の中から3人の署名を貰うよう言われた。やっとそのうちの一つが今もらえようとしているわけだ。


「これをお願いします」


 僕はスワラリフォードに早速署名を求めた。


「これは……なるほどな、シェヘレラフォード様にお前は何か情報を聞きたかったという事か。そのために私の所へ来たと」


「そうなんですよ」


「はっ、これはまたずいぶんと大物だったようだ。まさか大精霊シェヘレラフォード様が提案を出すに値した人物が現れるとは」


「そんなに凄い事なんですか」


「当たり前であろうが、我々幹部でさえシェヘレラフォード様にお願いをするにはそれおうの功績が必要になる。私はお前に対する認識が更に上の物へと上がったよ」


「それは良かったです」


 その後スワラリフォードは僕の署名をしてくれた。


「それじゃあ、もう僕達はここを去ります。ありがとうございました」


「ああ、また機会があれば会おう」


「はい」


 僕達が第三支部に入るのは一時的な契約だった。成果を残したためもう何時去ってもいいというわけだ。


「あ、そうだ」


「なんですか」


「先日の件で第二支部の動きで妙な噂を聞いた」


「妙な噂?」


「近々関係者がお前達の前に現れそうだから気お付けるんだぞ」


「へ?」


 スワラリフォードは意味深な言葉を僕の去り際に言い残すのだった。





「関係者ねえ」


 今回署名を貰うために第三支部の信頼を勝ち取ることになったわけであるが、第二支部とは敵対する形になってしまった。


 精霊会の構造をみるにそれぞれの支部は互いに格を上げるようにひび競い合っているように見えるし、これは一つ署名を貰うのに一つの信頼を失うことになりそうだ。


「やっぱり三つ目の署名が勝負になってきそうだな」


「そうですね」


「次はどうするか、一先ず第二支部には狙われているから手先に気お付けながら、第五支部、第四支部、第一支部の内のどれかから信頼を得る必要があるけど」


「この中で一番かかわりがあるのは第四支部の方ではないでしょうか。以前ダンテカビス様に第四支部の人が襲われていたのを覚えています」


「あの男か」


 第三支部に気お付けろと忠告してきた男、まあ結果的に成果主義と言っただけで、僕達は問題がなかったわけであるが、今のところ頼れそうなのはあの男くらいだから第四支部を尋ねてみるかな。


「よし、そうと決まれば早速行こうか第四支部に」


「了解致しました」


「面白かった、続きが読みたい!」


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