46.解放の魔術
「この反応……本体の反応が消えているだと……」
「目覚めたかプレセネリテ、本体は僕達がもう倒したぞ」
「う、嘘だろ……魔王本体を倒すなんて、とても信じられない」
「そんなことより、目覚めたばかりのところ悪いんだけど、この結界のコアに魔力を注いで結界を解除してくれないか。繰り返しの結界を解除してほしい」
「うん? ああこれか……本体はみなさんを罠に掛けようとしたわけだね」
「やっぱりそうだったのか」
「分かった、私の魔力を注ぐだけの簡単な作業だよね」
そう言うとプレセネリテはコアに魔力を注ぎだす。すると結界の光は徐々に消えていくのだった。
「これで解除したぞ」
光が消えたくらいしか変化が感じられないのだが、果たしてどうなってしまったのだろうか。
「エルカは感知してみてどうだ」
「おう、グラス、さっきと比べて魔力反応が弱まっているように見える。多分解除されたに違いないぞ」
「そうか、それじゃあ早速出て行ってみるか」
僕達は結界の外へ警戒しながら出ていくことにした。
「これは……」
「戻ってないですね」
「やっと出られたよ……本当駄目だったらどうしようかと思った」
僕達はやっと結界の外に出ることが出来て安堵の気持ちを味わうことになったのであった。
「何回も同じ場所を行き来していると気が止むからね、本当に解放された感覚なんだけど」
「本当にそうですよね、やっぱりご主人様の機転が今回も冴えわたっていた気がします」
「いや、僕だけじゃないよ、レピティとエルカの力も無かったら今回僕はやばかった。本当に二人がいてくれてよかったよ」
僕の言葉を聞いたエルカとレピティは嬉しそうにほほ笑むのだった。
「……」
そんな中プレセネリテが元気がなさそうに、ずっと黙っている。
「どうしたんだ」
「私が結晶化したという事は解放の魔術が放たれたという事だ」
「解放の魔術」
「うん、私はこの魔術発動のために魔王本体から切り離されて作られた。解放の魔術は魔王の眷属を全て解き放つことができる。これが発動されたことはつまり……」
「もしかしてすさまじい数の魔王軍が生み出されたってことか!」
僕の顔は青ざめるのであった。
「エルカ感知を頼む」
「分かった!」
とっさに僕はエルカに魔力感知を頼んだ。
「こ、これは」
「どうした」
「凄まじい数の魔物が一か所に集まっているぞ。そこを見るとギルドのみんなの魔力も感じる」
「急いでみんなの元へ向かおう!」
まさかそんなにたくさんの魔王軍を生み出せる方法があったなんて、どうか皆僕が到着するまで無事でいてくれよ。
僕達は連合軍の拠点へ急いで向かうことになるのだった。
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