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40.激戦

「私の魔力変換の根幹を狙ってくるとは、狡猾なやつらだ」


「弱点を的確に攻めているだけですから、むしろ定石通りではないでしょうか」


 僕と魔王ブォネエセテラの戦いは硬直状態に入っていた。


ブォネエセテラがエネルギー弾を放とうとする瞬間に僕が魔力変換先を無効化して、エネルギー弾が潰える。


 このやり取りが長時間ずっと繰り返されていったのであった。そろそろ変化が欲しいけど、無効化をするのにかなりの集中力を要するから、手が回らないんだよな。


「レピティ気を付けろ! 次の攻撃が来るぞ」


「大丈夫です……それに再びコアを破壊しました」


「よくやったぞ2人とも! その調子」


 魔王ブォネエセテラは周囲に散らばったコアを経由して魔力を増幅させてもいる。そのためコアを破壊するためにレピティが接近戦を行っているのだ。


 エルカは主にパフや回復、感知で攻撃回避を支持する役割がある。


 そんな2人を魔王ブォネエセテラから守るのが僕の役割なのである。


 僕達のコンビネーションはこれまで一緒に長い間過ごしてきたことによって、凄いペースで上がってきていたのでだった。


「ぐ、ぐをおおおおお」


 僕に攻め手を摘まれて、その隙にレピティにコアを破壊されていく魔王ブォネエセテラは徐々に力を弱めていった。


「少し形態を変えるか」


「形態?」


「うをおおおおおおおお!」



 魔王ブォネエセテラは魔力を放出し周囲の空間を衝撃で揺らす。更なる魔力の上昇に僕はかなりの危機感を覚えるのだった。


「これは……まずそうだ」


「はあ、はあ、はあ」


 はじめは人型だったブォネエセテラは身体が大きくなり、魔獣のような見た目に変化、より禍々しいオーラを放つのであった。





 ブォネエセテラ第二形態、分析不可能な謎の数値で構築された魔法陣を纏い、更に禍々しい魔力を纏い始めた。


 人型から巨大な魔獣、ビーストへと変貌を遂げたブォネエセテラはかつてない迫力を放つ。


「グウオオオオオオォォォォォォォ!」


「おいおい、これはシャレにならんぞ」


「ご主人様……これはやばすぎます。どうしますか」


「グラス、感知の魔力値が許容量をオーバーしておるぞ。こいつはかつてない強敵かもしれない」


 まずいな、レピティとエルカを庇いながら戦うのはこのままだと難しい。


「2人とも悪いんだけどここからは下がっててくれないか。僕も本気を出さないといけないかもしれない」


「かしこまりました絶対戻ってきてくださいね」


「ああ、分かった! 無事でな!」


 2人と一緒にできれば戦いたかった。けどそうも言ってられないこの状況、もっと僕は強くならないといけないのかもしれないな。


 レピティとエルカが退避したのを確認しつつ、目の前の巨大なビーストと化したブォネエセテラを見て僕はそんなことを考える。


「さあ、ここからが本番だ! 来いよ魔王ブォネエセテラ!」


「グオおオオオオオオオオ!」


 言葉も話せなくなった魔王は轟音と共に、空気を振動させる轟音を放つ。







「はああああ! 創生剣神威!」


「ぐあああああああ!」


「これはキリがありませんね」



「ふん」


「ぎゃああああああ」


「やはり、制御力がないと中々この魔力は扱い辛いな」


「師匠! あまり無理をしないでください!」


「ああ、そうだホルテラはいるか?」


「呼びましたか? セルファシア」


「私に魔力制御を付与することは出来るか。どうもシテリィセリアに制御を知らぬ間に任せていたらしい。奴がいなくなってから力が扱いにくくてな」


「そうなると思った。だから我の意見を早く聞いておくべきだったのだ。2人との精霊契約は出来ない。しかし力を分散させて付与することなら出来る。今から私の力を分け与えようセルファシア……」


「ふん、すまんなゼーネ、ホルテラの力を半分もらい受けるぞ」


「いえいえ、問題ないですって」



「まったく……何から何まで私の思い通りにいかないものよ。この展開を止めるために色々と奮闘して来たのに、結局こうなってしまうのだから、これも運命という奴なのだろうか」


「師匠!?」


「さて、久しぶりに本気をだそう。着いてこれるかゼーネ」


「はい、勿論です!」 


「よく言った……行くぞ」


 勇者とその弟子のギルマスはその日無尽蔵に湧き出る魔物に突っ込んでいくのだった。



「面白かった、続きが読みたい!」


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