夢と魔法と心と悪⑥
「な、なにこれ…」
朱音は、たまののスピリットらしき白点に驚きを隠せない。たまの自身も予想以上の不解さに、朱音の反応も合わさり、不安になっていた。
たまのの不安を感じ取ったのか、朱音が口を開いた。
「何なのか分んないけど、でも一応写ったから、よっぽどたまのちゃんも魔法使えると思うよ。」
そう仕切り直して、次は軽い魔法のレッスンを始めることにした。
まず、朱音がたまのに魔法をかけてみる。魔法は基本、体に影響せず精神的なものであり、たまのは、身構えるがはるかに無害でむしろ、温かく心地よいのであった。
そして、朱音の魔法とたまのが繋がったことから、逆算的にたまのから朱音に魔法を使う感覚を掴む。そうして、たまのは、なんとなく魔法が使えるようになった。
「よし!ちょと使えたね。やっぱりたまのちゃんは、魔法使いだったね。」
朱音は嬉しそうにそう言った。
「それで、さっきのスピリットは、私がいろいろ調べてみるね!」
一方たまのは、まだドキドキしていた。自分が魔法使いであったこと、実際に魔法が使えたこと。
状況がいまいち飲み込めておらず、朱音の宣言をあまり聞いていなかった。