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夢と魔法と心と悪③
「まずね、魔法を使える人には、共通の特徴があるんだ。」
朱音は、ウキウキしながら語り始めた。
「魔法使いの特徴はザックリ二つ。一つ目は一般人に記憶されにくいの。たまのちゃんも経験ない?」
たまのは、驚いた。ハッとしながら、あります。と答える。
「やっぱり!魔法使いを記憶できるの人間は、同じ魔法使いしかいないの。…」
朱音は少し止まって、たまのに期待の眼差しをむけた。しかしその期待は伝わらず、たまのは、急にしんとしてすっかり落ち着いてしまった。
「えっと… 二つ目は?」
たまのは、当然の質問をした。
「あえっと…ごめんね、急に黙っちゃって…。」
ハッとして朱音は謝った。申し訳なさの後ろに少し恥ずかしさが隠れていた。
「それで、二つ目はね、魔法使いには一人に一体『スピリット』て言う守護霊みたいなのがいるの。…ちょっと説明しにくいから、ちょっと待ってて!」
朱音は二階に急いだ。
その間、朱音家のリビングを見回してみると家族写真が目についた。朱音には両親はもちろん弟が一人いるようだ。