全切り
爆破予告の手紙が来たのは、一週間前であった。
最初は誰もが悪戯だと考え、とりあわなかった。しかし現在、俺の目の前には爆弾のようなものが広がっている。大きい。なんか壁一面が爆弾のようなものだ。
なんでこんなことになってしまったのだろうか。
一時間前、工場の食堂でカレーを食っていた頃が思い出される。
爆破予告のことで、話題はもちきりだった。
「俺、昔引き篭もってて、爆弾とか作ったことあるよ。もし爆弾がこの工場に設置してあったら、俺が解除するよ。」
息をするように嘘をついたら、なんか隣の隣の席の社長のような人が
「そのときはお願いするよ。」
とか言ってきて、「はい解りました」とか言ってたら本当に爆弾処理役になった。
それにしても、どうしたものか。
この工場は原子力発電所のようなものだから、絶対に爆発させるわけにはいかない。
この工場のようなものが爆発したら近隣一帯の人々は死んでしまうだろう。
しかも警察に言うことが出来ないようなことも俺たちはやっているのだ。
偽札のようなものを印刷しているのだ。
他の社員は既にみんな脱出した。
もし爆発して死んだらどうしよう。
最後の食事はカレーということか。
シーフードカレーということか。
大体いつ爆発するのか。
爆破予告の手紙には「爆弾のようなものを設置しました」としか書いてなくて具体的なことはまったく解らない。そして、どうやって解除すればよいのか。目の前にはこれ見よがしに様々な色のコードがある。数えてみたら23本あった。しかも全て違う色である。どれか一つを残して切ればよいのか。それとも2本残しか。あえて全て切れのパターンかもしれない。全て切れのパターンだと確実にラス2まで行けるし。その方が盛り上がるし。ということで片っ端から全て切ったら本当に爆発しませんでした!みんな助かりました。ってあの世で言いました。息をするように嘘をつきました。両側をでっかい鬼に挟まれて言いました。どや顔で言いました。閻魔様はノンリアクションでした。じゃあなんでお前死んでるの?この死人の行列は何?みたいなつっこみもありませんでした。地獄行きでした。
僕なりにライトノベルに挑戦してみました!
ライバルの肩胛骨ケンジ君には好評でした!




