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プロローグ
初投稿になります。
暖かい目でお願いします。
大学二年の夏。
湖の畔を一人歩いていた。
心地よい風が吹いていて、湖面が揺らいでいた。
鮮やかで澄んだ、青緑色の水の中を覗き込む。
丸い小さな石が底に沈んでいるのが見えた。小魚ぐらいいるのではないかと思ったが、一匹たりとも見当たらない。
もっとよく見ようと身を乗り出した瞬間に、湿った地面についた手が滑り、私は顔面からそのまま突っ込むように水の中に落ちてしまった。
体が回転して、真上に青く広がる空が見えた。
現状を理解しようとする頭とは逆に、体は素直であった。
湖は上から見ていただけでは気が付かなかったが、かなり深かったらしい。足がつかず、泳げない私はただもがいていた。
本能が、生きたいと手足をばたつかせる。空気を取り込もうとした開いた口の中に、水が流れ込む。苦しい。体がだんだん疲れてきて、沈んでゆく。
――このまま死んでゆくのか。
黙って一人で湖まで来てしまったので、誰かが心配しているかもしれない。
もしかしたら、私を送り出してくれた宿の女将さんは責任を感じてしまうかもしれない。
それはそれで申し訳ない。
ああ、どこか遠くへ行きたいと思っていたのに。
読みかけの本や、ゲームが山積みになっているというのに。
やがて、意識が遠のいていった。




