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ログインはしない。

 周防さんの話を聞いた後、僕達ベータ参加者は部屋を移動した。

 移動した場所は、それぞれに宛がわれた個室。僕に用意された部屋は、人暮らしするには大き過ぎる部屋だった。なんというか、施設の充実が尋常じゃないね…。一人暮らしをして居た身からしてみても、過剰だと言える設備達。


 特にお前だよ、キッチン。どこの業務用のキッチンだよ。コンロの数がおかしいよ!!六ってなんだ?!なんなんだ?!


 はぁ、まあいいや。いや良いのか?

 …。

 うん。良いや。諦めって肝心だよね。

「そういえば、個室のPCから正午までに初期設定を終わらせておくように言われていたっけ?」

 まぁそれは置いておいて、後回し後回し。


「それよりも、荷物のお片づけをしておくべきだよね。」

 僕はこう見えても綺麗好きだからね。そんな、誰に対してか謎の言い訳を言いつつ、片づけを終えたのが正午から三十分前。


「さて、初期設定って何をやるんだろうかなっと。」

 僕がPCの電源を入れてみると、すぐさまログイン画面が立ち上がり、ホーム画面へと切り替わった。

「どれどれ?」

 関係ないけど、作業中って独り言増えるよね。因みに、独り言をすることで、記憶の整理や作業の確認とか行いやすくなるって聞いたことがあるんだけど、僕の場合はただ黙々と作業とかができないだけって、理由なんだけどね。


「あれ?」

 ホーム画面を映していた液晶モニタに、ピコンって言う電子音に続いて、ファイルが開いた。

「あれ?咄嗟に液晶っって思ったけど、これは液晶なのだろうか?」

 むむむ。素人には分かりませんな…。


「さて、現実逃避してても良くないし、これが初期設定の画面だろ。」

 そして開いたファイルを改めて見ると、そこには『初期設定マニュアル』『初期設定』『掲示板』と書かれたデータファイルが…。

「マニュアル…。仕方ない、見ながらやるか。」

 と言うわけで、『初期設定マニュアル』『初期設定』の二つを同時に開いて、マニュアルを見ながら進めていく。


「まず名前ね。」

 うーん。アンタレスとか?

『エラー。その名前は既に使われています。』

 ほう。じゃあ、オイノピオスとかは?

「よし。」

 無印の方に参加している従兄が、多分本名に近い名前を使うだろうからね。僕はそれに対抗しようってね。


「さてさて、次はっと。」

『元となる素体を決めてください。』

「素体?」

 よく分からないけど、モニタに出てきたのはこんな画面。


―――――――――――

子◀

丑◀

寅◀

卯◀

辰◀

巳◀

午◀

未◀

申◀

鳥◀

戌◀

亥◀

猫◀

―――――――――――

「干支?」

 よく分からないけど、その画面のそれぞれの名前の横にある黒い三角マークを押すと、詳細が出た。


―――――――――――

 干支神において、欲を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、奪う事に重きを置き、強欲に際限は無い。

『生きたけば、奪え。勝ちたけば、奪え。全てを奪いつくせ。』

         選択済みです。


 干支神において、土を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、守りに重きを置き、何よりも“かたい”。

『我のかたさは、堅さであり、硬さであり、固さである。』

         選択済みです。

 

 干支神において、風を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、速きに重きを置き、空気の中で舞う。

『走れ。そは何よりも速く、疾風を纏いかけるモノである。』

         選択済みです。


 干支神において、闇を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、魔に重きを置き、その法は世界を揺るがす。

『汝の望む姿がなんであれ、汝は大いなる闇を切り裂くモノなり。』

         選択済みです。


 干支神において、邪を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、運命に重きを置き、運命に―――――。

『さぁ、一緒に踊ろう。運命は決まっているんだ、君が主人公だとね。』

         選択済みです。


 干支神において、水を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、技巧に重きを置き、技を愛する。

『愛しなさい。隣人を、あなた以外の全てを。』


 干支神において、賢者を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、賢きに重きを置き、法への近道を知る。

『法の数が、法の全てである。法に縛られることなかれ。』

         選択済みです。


干支神において、商売を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、財に重きを置き、財に対して貪欲。

『貪欲であれ。きんは裏切らず、きんこそ至高なり。』

         選択済みです。


干支神において、木を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、体に重きを置き、死から最も遠い。

『何人も死から逃れられない。距離が違うだけなのだから。』

         選択済みです。


干支神において、火を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、力に重きを置き、情熱を燃やす。

『まだまだそんなもんじゃないだろ!!やれる!!君ならやれる!!』

         選択済みです。


干支神において、光を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、聖に重きを置き、法を妨げる。

『法は縛る為では無く、守るためにあるのです。』

         選択済みです。


干支神において、狂を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、反抗に重きを置き、神を拒む。

狂狂狂狂狂狂狂狂(おおぉぉぉあおあ狂狂狂狂狂狂狂狂狂おぉあぁおぉあぁおぁ)。』

         選択済みです。


干支神において、創造を司る神。元は一つだった干支神の権能の中でも、創る事に重きを置き、生命(いのち)さえ創る。

『創りなさい。あなたが望むすべてを。』

         選択済みです。


―――――――――――


 …。えー…。

 色々、気になるものがあるけど、鳥?どこの太陽さんかな?


誤字脱字・感想などお待ちしております。

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