美少女に囲まれるヤンキーてなに?
「・・・君!・・・」
「・・いが君!・・大河君!」
大きな声に涙声を混ぜ合わせたような呼び声につられ大河は目をゆっくりと開けた。
「大河君!!」
「あぁ。俺気絶してたのか」
目から涙が今にもこぼれそうな少女が大河の顔の近くにあった。七森瀬奈であった。
大河は瀬奈のやわらかいふかふかの膝上に顔を乗せていたのだ。大河は自分が膝枕されていることに気づき、すぐに体を起こした。
「わ、悪い!」
「大河君大丈夫?具合悪くない?」
「ああ。大丈夫だ・・・・」
大河は周りをグルッと一周見た。
周りには瀬名以外に沢山の女性が心配そうな顔で見ていたのだ。
「旦那様、体調は本当によろしいので?」
長い髪に小さい顔でとても白い肌をした少女が話しかけてきた。
「問題ねーよ。さっきも言ったろ。」
ほっとした表情になり再び大河に顔を向けた。
「申し送れました。私は橘凛と申します。学校では生徒会長を務めております。以後お見知りおきを」
さっきとは雰囲気違くとても凛としており冷静な対応をされた。まるで冷たい雪のように。
こんな美人がいるなんてなぁー。っと思っていると頭の上にやわらかいクッションのようなものが当たった。大河は悟った。
(これは・・・胸!?)
顔を上にあげるとそこには、肌が少し焼けており服の胸部分のボタンを全開に開けた女性がいた。
「うぃーす!私は北条明日香!あすにゃんって呼んでね!」
「うぉっ!お前抱きつくな!」
頭にのせられた豊潤のたわわが強く押し付けられ、明日香の腕が大河のことを包むように抱きしめられている。そして体が前のめりになる。
大河はそっと腕を離させてゆっくりと前の方に移動した。
すると大河の両腕には温かく小さな胸を押し付けている二人の少女がいた。
「おい!腕に抱きつくなっての!」
「いいじゃん!兄弟なんだし!」
右腕に抱きついていたのは、義理の妹の森重八重だった。
小さく幼い身体つきの八重は、高校生には見えず中学生のような容姿である。成長途中の小さなたわわを必死に押し付けている。
左腕には、八重よりかはいくらか大きいたわわを押し付けている少女がいた。髪は短く引き締まった体は、少し硬くたくましい。
「腕の筋肉すごーい!たっくましぃー!」
「誰?」
筋肉に興味津々の少女に大河は尋ねた。
「あ。ごめんごめん!ついね・・・」
「いやいいけど」
「私は丸井奈々!八重ちゃんと一緒の一年生で陸上部だよ!よろしくねっ!」
(あ、明るい・・・。ん?)
奈々の後ろにもじもじと様子を伺うようにしている少女に大河は気づいた。
顔は隠すようにコソコソしているわりにゆさゆさと上下に動くたわわが気になる。
大河の視線に気づいた奈々は後ろにいた少女を強引に大河の前に出した。
「あわわわ・・・・!奈々ちゃんやっぱり無理だよぉぉぉ!」
「駄目だよ亜紀ちゃん!頑張んなくちゃ!」
俺の顔を見て頬を赤くした少女は、急いで奈々の後ろに隠れた。
(なんだんだよ。俺の顔になんかついてんのか?)
やれやれとした反応の奈々はゆっくりと口を開けた。
「この子は桜坂亜紀ちゃん。いい子なんだけどこの通り人見知りでね・・・。」
「ああ。そういう事か。まあいいや。よろしくな亜紀」
「ふぉわわ!!」
頬から耳にかけ顔が真っ赤になって口をぱくぱくさせている。
(なんだこの子。おもしろ)
「てかいつまで掴んでんだよ!離せ!」
「ああぁんー」
(なにがああぁんだよ)
腕に掴まっていた二人を振りほどきその場から立ち上がった。・・・・・・・がしぃ!
(ん?)
振りほどかれた二人は大河の足を掴んできた。いきなりのことにバランスを崩した大河は背中から倒れた。
「いてっぇーな。なにすんだ・・・・」
大河は声を止めた。倒れて起き上がろうと目を開けるとそこには、たわわの大群が目の前に存在していたからだ。三人のたわわ。
「大河くぅーん。いい身体してるねぇー・・・」
「ふふふ・・こうして見ますと可愛い顔をしていますね」
「・・・たいが・・・かっこ・・いい・・」
大きなたわわが顔いっぱいに押し付けられ息ができない。
(・・苦しい・・・死ぬ・・・)
息ができずに悶えていることに気づいた三人は、たわわを顔からどかしてくれた。
「ごめんねぇ。つい気になったものだから・・その身体に・・・」
唇を舌でペロッとした。唇は潤いを出し輝いている。
「私は源静恵。この子達の学校の保健室の先生なの。よろしくねボーヤ。」
(大人だ。なんかこう大人だ)
「私は松本陽菜です。凛が生徒会長で私が副会長なの。よろしくね大河ちゃん」
ニコニコしているまるで聖母マリアのような神々しさに包まれている。
そして隣にいたぼーっとしている少女が口を開けた。
「・・近衛・・優奈・・・・三年・・・・」
おっとりした雰囲気から放たれたおっとりトーク。なんともいえな雰囲気がただよっていた。
「さて!これでみんなの紹介が終わりましたね!」
パンッと手を叩いた瀬奈は大きな声で喋った。
そして少女達を椅子に座らせ話始めた。
「これで全員の紹介が終わったので次は大河君の紹介ね!」
「は?俺もすんの?だりぃーんだけど」
「いいから早くしなさい!」
瀬奈はずいっと顔を寄せ、大河は仕方なく話始めた。
「俺は神風大河。よろしく」
やれやれといった感じで挨拶を終えた大河は再び口を開けた。
「つーかよ。許婚候補って本当か?んでもってあのじじぃはどこ行った?見当たんねえけど・・・」
「豪さんなら旦那様が気絶していた時に出て行きましたよ」
「・・・・は?」
凛から言われた一言に大河は目を丸くした。
そして瀬奈は口を開いた。
「それと許婚候補の話は本当よ。ここにいる私達は大河くんのお嫁さんになりたいってわけ」
「いやいやいやなんでまたそんな急な話になってんだよ!」
「・・・・やっぱり覚えてないんだ・・・」
「え?どーいうことだよ」
瀬奈の一言に焦る大河。
「まぁ仕方が無いわね。教えてあげる。なんでこんな事になったのか」
ため息をついた瀬奈はじっと大河のことを見つめた。
熱く真剣な眼差しに大河はゴクリと息を飲んだ。
・・・・・この後に話される許婚候補について・・・・・