第五十七話
ソードデーモンへと繰り出されたゼノピアの一撃。当たったソードデーモンは弾け飛ばされて…いなかった。
「イイコウゲキダガ、マソウマデマリョクヲマワシキレテイナカッタ。ソレガアマリダメージヲアタエラレナカッタリユウダ。コチラモミセテヤロウ」
ソードデーモンは二本の剣をクロスして構える。
「ヨクヤッタガシネ!クロスエッジ!」
普通の攻撃とは明らかに違った剣がゼノピアに襲い掛かった!
『ガキイイィィィン!』、という音と共に。
「ナンノツモリダ」
「選手交代しようと思ってな」
受け止めたのはゼロだった。
『無粋な奴』、と思ったソードデーモンはふと気付いた。目の前にいる男はクロスエッジと言う自身のあるスキルを使った攻撃にも関わらず、受け止めている。『魔装だと!?』、とソードデーモンは驚かされた。
ソードデーモンは捕まり、洗脳されて気付いたと思えばこのような場所にいた。戦う事しかしてこなかった彼だがこれほどの魔装の持ち主に出会ったことは無い。強敵に出会えた喜びを噛み締めつつ、
「デハキサマガアイテシロ」
剣を向けた。構える二人。先に仕掛けたのはソードデーモンだった。
「エッジ!」
片方の剣だけによる一撃を見舞うスキル。先ほどのダブルエッジほどの威力は無いにしても十分脅威な攻撃だ。しかしそれはゼロにとっては問題が無い。軽く躱すと、
「斬の型、始」
放たれた斬撃をソードデーモンはエッジを放っていなかった剣で受け止める。だが、『なんて威力だ』。剣が弾け飛ばされそうになるほどの威力。そう思っていると、
「余裕はないぞ」
「!」
距離を詰めたゼロが刀を振るう。ゼノピアと対峙した時とは違うとわかっていたソードデーモンだが一方的に押し込まれていく。攻撃を試みるが躱され、無駄に相手の攻撃を受ける。ゼノピアとの違いはなにより魔装だ。多少受けてもダメージを受けなかったのが今度は確実にダメージを負ってしまう。
剣を止め、足に力を篭めると大きく後ろへと飛び下がった。力の差は歴然としていた。
「イクゾ!」
差があっても仕切り直す気はソードデーモンにはなかった。一撃で決める。負ける気はさらさらなかった。
「ダブルエッジ!」
「破の型、断!」
ぶつかり合う剣から生じた衝撃は辺りにまで轟いた。アサギとゼノピアはおもわず目を閉じ、腕でガードをした。
土埃のようなものが舞っていたのが落ち着くと、そこには油断なく立つ勝者のゼロと倒れこんだ敗者のソードデーモンがいた。
「決着がついたようじゃ」
「強い方なのですねゼロ様は」
「当たり前じゃ」
ソードデーモンに刀を向けるゼロ。
「サスガダ。トドメヲササレルマエニイッテオクガココニナニガアルノカハシラン。ツヨキモノヨ。イキザマヲミテオイテヤル」
そう言い残したソードデーモンは崩れ溶けていった。
「アサギ。消えるなんてことあるのか?」
「おそらく何か施されていたの。証拠を残さないためか、倒せるほどの者がこの奥を見るために守る必要性がないために消えたのか、両方なのか違うのかもわからぬ」
消えた事に対する疑問はあるが、これで奥に行けるようにはなった。この先に何があるのか。別の疑問が生まれた。
たびたび更新が遅くなる事がありますがお待ちいただければ幸いです。
次回もよろしくお願いします。




