第五十二話
不穏さが描き出せているか不安ですがなんとか更新しました。
勇者率いる軍勢は王都を守る近衛騎士と上級騎士以外の中級から下級の騎士、兵士や傭兵からそれぞれが動員された。実際には少ない動員だがオルダイト山の魔物討伐に第一王子であるレディリオスも急遽参加を表明。勇者に第一王子という過剰戦力とも言える二人の存在により、当初よりも動員数が減ったのだ。王家にとっては動員数が減ることで出費が多少減少、喜ばしい事でもある。
馬が用意されているとはいえ、それが全員分いる訳ではない。とはいえそれに縛られない貴族の騎士等、役職の高い者は馬車が用意されている。当然レディリオスやエレン、リリアもだ。
「勇者殿は素晴らしい活躍をしているようだ。私も精進しなければ」
「そうですか?レディリオス様のご活躍に比べれば私なんて」
「謙遜する事はありません。お隣にいるリリア殿もかなりの実力が見受けられるし、我が王国は安泰です」
「第一王子様に認められるのは恐れ多いです」
同じ馬車に乗った三人は和やかな雰囲気で話が進む。レディリオスの巧みな話術に乗せられているのかもしれないが。
「疑問なのですがお二人だけで旅を?」
あらかじめ情報を持っているレディリオスは質問をぶつける。ゼロと言う男の実力を未だ王国は把握しきれていない。宰相らは連れ戻してきた元ギルド長を匿う事に成功した。そこでようやくエレンとゼロの事を聞き、レディリオスも聞いている。しかし百聞は一見にしかずという事もある。正しく見ておかねば王国の掌握を失敗してしまう、そんな思いがレディリオスと宰相にはあった。
「リリア以外にもあと二人います。ゼロさんとアサギさんと言います。アサギさんは仲間になって日が浅いので私もわかりません。ですがゼロさんはわかります」
「あとお二人もいるのですか。それでそのゼロ殿とは?」
「とにかく強いです。魔法は使わないようなのですが剣に優れています。オーガと出会ったのですが一撃でしたし、魔装の技術は誰も真似できない程に完成されていると思います」
「魔装ですか!それは素晴らしいお仲間ですね」
「でも…」
「でも?」
エレンとしては話すべきか迷った。戦闘以外でゼロの事を考えると少しだけ胸が痛むのだ。なんとなくそれがどういう事なのかわかっているつもりだが、それとは別に問題があった。レディリオスの事も気になっているのだ。ゼロとも短い付き合いだがレディリオスも同じようなものだ。ヴォルテリアに出発するまでの間、大半をレディリオスと過ごした。そこで彼の人柄の良さに気付いたのだ。なぜか自分の夢や目標を話してしまったが、態度を保留している節があるゼロとは違い肯定をしてくれ、さらにはレディリオスが王になった際には応援してくれるとまで言ってくれたのだ。
閲覧ありがとうございます。
早く戦闘が書ければと思いつつも内容を優先してしまっています。
次回もよろしくお願い致します。




